罰は蝋燭の灯りが消えるまで
窓の外は夜空が広がり、星の光は薄暗い部屋に少しだけ差し込む。
宿の一室、テーブルの上には大きめの蝋燭が一本だけ灯っていた。
さっき隙を見て買ってきたものだ。
僕の目の前には四つん這いの体勢から突き出された弾力のありそうな大きな桃尻があった。
"彼女"の黒ビキニをお尻にしっかりと食い込ませて肌を露出させる。
そして……、
バシン!!バシン!!
部屋に高音が響く。
そのたびに"彼女"は悲鳴にも似た声を上げた。
これが僕が考えた"イヴ・ガルハート"への罰。
というか、お仕置き。
でも、これだと彼女にとっては単なるご褒美でしかない。
……というのも、ここまでイヴと何度も戯れてきて気づいたことがあった。
それは彼女が想像以上に"受け側"だったということだ。
敵に対しては冷酷。
クールにしてニヒル。
言動もキツくて飾らない。
そこにキリッとした美しい容姿となれば誰でも"攻め側"を予想するが……。
バシン!!バシン!!
白い肌のお尻がどんどん赤く染まる。
垂れ始める尿は太ももを伝って床へと滴っていく。
バシン!!バシン!!
腰がくねり、お尻がどんどん突き上がる。
悲鳴は次第に甘くトロけるような可愛い声に変化していく。
そう、彼女は攻められるのが好きなのだ。
この欲するような腰の動きと甘い鳴き声を聞けば一目瞭然だった。
こんなに"美人"で"クール"で"強い"、高貴なる魔王軍の女幹部であるイヴ・ガルハート様が、お尻を叩かて喜んでいるなんて……。
いやいや、これでは罰にならない。
そこで僕はずっと考えていた。
イヴへの罰とは何なのか?
それは彼女の願望の真逆だだ。
「なんで僕のところまで来るのに一日も掛かったんだよ!この役立たず!」
「申し訳ございません!全ては私の実力不足でございます!」
「お前のせいで川で溺れかけたんだ!」
「申し訳ございません!」
「お前なんて誰も必要としてないんだよ!」
そう、彼女にとっての罰とは、
"役に立っている"
"必要とされている"
という願望の真逆であること。
つまり、
"役に立たない"
"必要ない"
と言われることだ。
そして、この効果は絶大だった。
イヴは四つん這いのまま、体を震わせて本当に悲しんでいるような素振りを見せていた。
心は痛むが、これは彼女が望んだこと。
罰を与えてほしいと言ったのは他ならぬイヴなんだ。
「おい!なんとか言え!役立たず!」
バシン!!バシン!!
「も、申し訳……ございませんでした……」
バシン!!バシン!!
「謝って済む問題か!!僕に何かあったらどう責任とったんだよ!!」
バシン!!バシン!!
「このようなことは、もう二度と無きようにいたします!!」
「もう、いいよ別に。お前なんて必要ないから。どっか行け。消えろ」
「……そ、そんな、それだけはお許しを!!このイヴに今一度のチャンスを!!」
「何言ってるんだ、お前の名前は"イヴ"じゃないだろ」
「……え?」
「"役立たずイヴ"だろ。ほら、言ってみろ!」
「……はい、私は"役立たずイヴ"でございます。どうか……私をそうお呼びください……」
蝋燭の火が消えた。
部屋は暗闇になる。
そっと彼女の前へと移動した。
ゆっくりと黒い角に指を這わせ、真っ赤な燃えるような長い髪に向かって優しく撫でる。
「よく頑張ったね。イヴさん」
「ご、ご主人様……私……」
「さぁ、おいで」
両膝をついて座るイヴを優しく抱きしめた。
その豊満な胸から伝わる心臓の鼓動はとても早い。
強い不安と緊張が入り混じっていたのだろう。
体が震えている彼女は恐る恐る僕の背中へと手を回した。
「辛かったね。僕はイヴさんとはまだ一緒にいたいんだ」
「私もでございます……こんな……役立たずなイヴでよろしければ、おそばにいさせて下さい」
「うん。信頼してるからね」
「有り難き幸せ……私は……今とても幸せでございます」
「僕も幸せだよ。また僕のために料理作ってね」
「はい、喜んで……」
なぜかイヴとの絆が深まった気がした。
僕はただ罵りながら、お尻ぺんぺんしてただけなんだけど……。
それが予想以上に彼女の心を抉り、最後に寄り添うことで従属を強めたようだ。
イヴは綺麗でカッコよくて強い。
だけど実は"受け側"で、攻められことが大好きな下品な女幹部であったことに僕は嬉しさを感じた。




