表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/87

絶対・絶命・零度

僕はまたもや絶対絶命の窮地に立たされていた。

いや、厳密に言えば倒れているわけだけど……。


氷に覆われた地面、辺りは全て凍り、さらに凄まじい竜巻が周囲で起こっている。


この地域では有り得ない自然現象だ。


そんな中、大の字に寝そべる僕は寒さで動けない。

もしイヴから獲得したスキル『耐寒』がなければ既に死んでいた。

かと言って、このまま生きれるわけでもなさそうな状況。


朦朧とする意識。

そんな僕に近くづく影がある。


倒れた僕を覗き込むようにして見る人物。

その姿はハッキリせず、テレビの"砂嵐"が全身を包んでいるようだった。


ザッ、ザザザーザザー


そんな音を鳴らして体が変化していく。


「『偽装カモフラージュ』を解除」


若い女性の声がした。


「イヴをとりこにするほどの人間とは、どれほどかと思ったのですが。まさか、この程度の寒さで倒れるとは……」


女性が纏っていた"砂嵐"が消えていき、徐々に人物の姿が露わになった。


長い青髪のポニーテールで眼鏡をかけた女性だ。

細身で白い肌の体にフィットしたノースリーブの黒いローブは足元まであり、片側は腰のあたりまでスリッドが入っていて脚が露出している。

足には黒いヒールブーツを履いていた。


イヴほどではないが張りのある胸。

両耳の上に2本の短めの黒い角、お尻には黒い甲殻の尻尾。

そして左手には大きな魔導書が広げられてあった。


「最後に言い残すことはありますか?イヴに伝えておきましょう」


「……」


「なんです?」


「……す」


「ああ、凍えて声も出せないのですね」


女性は膝をつく。

もみあげの長い青髪を上品に指でなぞって耳にかけながら僕に顔を近づけた。

彼女はとても美しい顔立ちで、見た目から知的な雰囲気をかもし出していた。


「なんです?」


「お…………え……す」


「え?」


「……『従属オビディエンス』」


「……」


女性は停止した。

周囲で聞こえていた暴風音も止む。


「私は……なんということを……」


そう呟いて女性は立ち上がる。

少しの間、僕を見つめているが、その目は徐々に虚になっていく。


彼女は一歩下がってから持っていた魔導書を閉じてひざまずき、倒れる僕に対して言った。


「この償いは……私、第五総魔将フロストタクティションの"セシル・アクアリュウム"が全身をもって代えさせて頂きます」


自分の犯した過ちを悔やんいるのか、顔面蒼白となったセシルは眼鏡の奥の瞳に涙を浮かべていた。

今、彼女には僕のことが"あるじ"に見えてる。

完全に『従属オビディエンス』された。


セシルと名乗った女性はすぐに立ち上がると着ていたローブをまくり上げながら脱ぐ。


露わになったのは花柄ピンク色の下着でワンポイントリボンのついた可愛いブラとショーツだった。

セシルという女性はとても知的に見えるが、実はこういうのが好きなのだろう。


「お見苦しいかもしれませんが、これが最も最善の策です」


そう言ってブラジャーとショーツも脱ぎ捨てて一糸纏わぬ姿となった。

そして足を大きく広げて、ちょうど僕の下半身のあたりをまたぐと見下げるように立つ。

その肉肉しさがないスレンダーで綺麗な体と対極的な豊満なボディを見て、寒さで死にそうな僕でも胸が高鳴る。


「失礼いたします……」


インテリジェントな女幹部セシル・アクアリュウムは顔を赤らめながら"その行為"に及んだ。

またしても僕にとっては初めての経験だった。


もしかすればセシルにとっても初めてだったんじゃないかな?


そもそも、なんで僕がこんなところで凍え死にそうになっているのか……それは数十日前の出来事まで遡る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ