雨上がりの休日(1)
この町に来てからの僕は毎日、仕事を受けて働いた。
全ては借宿の家賃と食費のためだ。
ここまで一心不乱に黙々と働いていたが4ヶ月目に入った頃、だいぶ収入は落ち着いたと思う。
「一日くらい休みをとってもよさそう」
明日は休みをとって町を見てまわろうかな。
仕事で町の中を駆け回ることはあっても、ゆっくり散歩なんてことはなかった。
普通、冒険者は休みなんてとらないんだろうけどね。
次の日。
ようやく北部にも春の陽気が訪れたのか長く雨が続いていたけど、この日は運良く快晴となったので予定通り休んで散歩に出ることにした。
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この日は少し風が強くて、地面の水たまりは常に波紋を広げていた。
人口はあまり多くない町ではあるけど、やっぱり露天商は活気がある。
そんな中、住民や冒険者たちがこぞって自分のお目当ての商品を探していた。
僕は何も買う気はなかったけど、一つの店で立ち止まる。
様々な商品が並べられているが、全て女性用の髪飾りだ。
「これって、かんざし?」
それは木の髪飾りで、先には桜の花を模したピンク色の水晶が付いている。
店主は笑顔で対応した。
「お客さん、お目が高いね!」
「え?」
「これはリガンドロ地方の職人が作ったもので、あらゆる災いから身を守ってくれるっていう魔法の髪飾りなんだよ!」
「そ、それは凄いですね……」
「凄いってもんじゃないさ!この辺りじゃ、なかなか出回らない品だ!」
「へ、へー」
「気になる人への贈り物でもいい。安くしとくぞ!」
……。
買ってしまった。
店主のシンプルなセールストークに乗せられて、ついつい財布の紐が緩んだ。
僕は将来、投資詐欺とかに普通に引っかかるのではないだろうか?
とは言っても、見た目はとても綺麗なもので買ったことは後悔していない。
このかんざしを見た瞬間、"ファリスちゃん"に似合いそうだなぁと思っていた。
彼女とは出会い方も別れ方もいいものではなかった気がするから、お詫びに何か贈れならなぁと考えていたのだ。
「だけど、あれから数ヶ月経つけど姿を見てないな」
最初の出会いから3ヶ月は経つと思う。
でもギルドでも会わないし、樹海入り口での薬草採取でも会わないので気にはなっていた。
「まさか……行方不明になんてなってないよな……」
ここ最近、多くなっているという行方不明事件。
なぜか全ての被害者が冒険者という不可解な事件だ。
もしファリスちゃんも行方不明になっているとしたら……。
だが、その考えは杞憂に終わった。
人混みの中、見覚えのあるノースリーブの着物姿で黒髪の女の子が目の前を歩いてきていた。
あちらも僕に気づくと、顔を引き攣らせる。
「な、なんであんたがここにいるのよ……」
「ファリスちゃん!」
「気安く"ちゃん"付けで呼ぶな!!」
「ご、ごめん。僕、君が行方不明になったんじゃないかって心配してたところだったんだ」
「はぁ?私が行方不明になるわけないでしょ!わたしはね、あんたが思ってるより、ずっと強いのよ!」
「でも、どうして会えなかったんだろ?」
「わたしが避けてたからに決まってるでしょ!あんたの行動は知ってるからね!」
「どうして避けてたの?」
「そ、それは……うっ……」
なぜかファリスちゃんはお腹を押さえて、太ももを擦り合わせるような仕草をした。
これって、まさか……。
その瞬間、ファリスちゃんは僕の手を掴んで走り出した。
人混みを掻き分けて誰もいなさそうな袋小路になった路地に入る。
「あ、あんた、そこに立って壁になってよ」
「壁?」
「こっち見ないで!!」
「う、うん」
ガサガサと音がして、すぐに小さく水が滴る音が聞こえ始めた。
「う、う……うう……」
ファリスちゃんの苦しそうな声。
今にも泣き出しそうな声だったが、それが徐々に甘い吐息へと変わっていった。
「うう……ああ……はあー、幸せ……」
僕はこの瞬間、悟った。
恐らく願望が叶っている最中なら、どれだけ反発心があろうとも『従属状態』になる。
アリカさんの場合は匂いを嗅いでいる時。
ファリスちゃんは放水している時だ。
僕はファリスちゃんの放水が続けられる中、恐る恐る聞いた。
「み、見てもいいかな?」
「……はい、どうぞ」
ゆっくりと振り返る。
そこには脚を開いて、しゃがみ込んでいるファリスちゃんがいた。
黒いショーツを指でずらして放水中だ。
彼女は顔は赤く、とろけるような表情で口が半開き。
目は上目遣いというより、白目をむいているように見えた。
「実はファリスちゃんにプレゼントがあるんだ」
「え、わたしに?」
「うん」
僕はファリスちゃんの前で片膝をつくと髪をそっと撫でた。
すると興奮したように尿の勢いが小刻みになり、放つたびに放水量が増す。
これはアリカさんとは違うところだった。
アリカさんはクールに垂れ流すが、ファリスちゃんは爆発させるように大量に放って嬉しさを表現してくれる。
「ああ……嬉しい……幸せ」
「これファリスちゃんに似合うと思って、さっき買ったんだ」
「綺麗……私に似合うかなぁ?」
「きっと似合うよ」
「えへへ……」
僕はファリスちゃんの横髪に桜のかんざしを差し込んでいった。
かんざしがゆっくりと髪の奥へと進むたび、放水の勢いが増していく。
ファリスちゃんの尿の匂いが生暖かい風に靡いて鼻腔をやさしく擽ぐる。
そして、かんざしが差さり切ると同時にくらいに彼女の放水は止まった。
「わ、わたし……また……」
「ファリスちゃん、とっても似合ってるよ」
「……わ、わたし……う、嬉しい……とっても幸せ」
ファリスちゃんは涙ながらに笑みを溢した。
とっくに従属の制限時間は終わっていたが、彼女は絞るようにお腹を何度も動かしていた。
「ファリスちゃんが幸せなら僕も幸せなんだ。また今度、僕に見せてね」
「はい……その時までしっかり溜めておきます」
「嬉しいよ、ファリスちゃん」
僕は未だにしゃがみ込んでいるファリスちゃんの頭をやさしく撫でであげた。
彼女の満足気な表情はずっと続いていた。




