↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/113

パーティー名はやっぱりコレ


「本日はどういったご用件ですか?」


カウンターに立つ受付嬢さんは笑みを浮かべて言った。

さっきの殺伐とした雰囲気に一喜一憂することなく仕事をこなす様はやはりプロだな。


「仕事を受けたくて来たんですけど……」


「このギルドは初めてですか?」


「はい。初めてです」


「ではリーダーの方は、まず始めにギルドカードをご提示下さい」


「僕がリーダーです」


僕が言うと周りの冒険者たちに嘲笑が起こる。

様々な声が耳に入ってきた。


"あれがリーダー?随分と弱そうだな"


"この辺は魔物は凶暴だ、どうせ簡単な仕事しかできないさ"


"後ろの姉ちゃん達は可愛いな、声かけようかな"


"ガキは田舎に帰った方がいいぞ"


言いたい放題だ。

背後にいるディアナから異常なまでの殺気を感じる。

この殺気を感じとれないなら、君たちこそ田舎に帰った方がいいぞ。


僕はあまり周りを気にせず懐からギルドカードを取り出して受付嬢さんに手渡した。

受付嬢さんはギルドカードを見る。

すると、ずっと笑顔だった表情がどんどん変わっていった。

なんで顔が引き攣ってるんだ?


「こ、これは……?」


「どうかしましたか?」


「ステータスが……おかしい」


受付嬢さんは何度も目を細めたり、ギルドカードに顔を近づけたり離したりして見ている。

確かスキルは他人には見えないはずだから、従属対象欄は確認できないはず。


ということは、もしかして"数値の弱すぎ問題"かな。


「強すぎる……」


「え?」


「レベルに対して数値が強すぎますよ!こんなの見たことないです!」


僕の方に他の冒険者たちの視線が集まる。

明らかに先ほどとは空気が違う。


「普通ならレベル2で大体、100くらいの数値なのに3000なんて……」


とは言うものの、この数値が正しいとは限らない。

前回の異常なステータスだって身体にはあまり反映されてなかったからね。


それでも受付嬢さんの発言はギルド内には響いて、他の冒険者たちの"ありえない"という声が聞こえてくる。


「これならBランクまでの依頼を受けることができます」


「おすすめはありますか?できれば高収入な仕事がいいんですけど」


これには理由があった。

イヴに頼んであるエヌス・ヤタに建設予定の"新施設"に結構なお金が掛かるのだ。

なので、できたらレベル上げと高報酬を両立させたいと考えていた。


「それなら北にある湿地帯の調査依頼はどうでしょう?これは複数パーティーによる合同クエストです」


「なんで合同なんですか?」


「調査内容が"魔獣の確認"だからですよ。かなり危険なクエストになりますが、報酬はそれなりに高いです」


「確認?討伐じゃなくて?」


僕が言うと受付嬢さんはキョトンとした顔をした。

そして再びギルド内に起こる嘲笑。


苦笑いしながら受付嬢さんが口を開く。


「それは流石に無理ですよ。魔獣を倒すとなればこのギルドにいる冒険者が総出で戦わないといけないと思います。それでも死人が出る可能性があるので、まずはどんな魔獣なのか確認が必要というわけです」


なるほど。

魔獣によって能力は異なる。

だから最初にどんな魔獣なのか確認して作戦を立てて、パーティーを集めて討伐……という流れなのだろう。


ちなみに僕はたった1人で2体の魔獣を討伐しているわけだが、今は言わない方がよさそうだ。


「わかりました。その依頼を受けます」


「では、他の冒険者が集まるまで待機を……あ、そうだ、忘れてました」


「なんですか?」


「"パーティー名"を聞いてませんでした」


「パーティー名……」


それは考えてなかったな。

イヴと行動するようになってからはギルドの仕事は受けたことはない。

エヌス・ヤタでの魔獣討伐任務は緊急クエストみたいなものだったからパーティー名なんて聞かれてないし……。


待てよ。

そうだ、これしかない!


「パーティー名は【ブラック・ドラグーン】です」


僕とランジェリカさんのファミリーネームだ。

せっかく一緒に考えたんだから名乗っていかないとね。


僕とディアナ、新メンバーのグレシアさんの3人でクエストを受けた。

そして僕らは行動を共にする、他のパーティーと合流することになる。


それは、この東部でも有名な"A級冒険者"がいるパーティーだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。