表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春病。  作者: 翠吉
3/7

自己紹介

「とりあえず、自己紹介しよっか」

入部する1年生が確定し、部活を始める前に顔合わせの時間が出来た。

「じゃあー3年から」

「まぁみんな知ってると思うけど、このバレー部の部長の水谷。ポジションはウィングスパイカー。」

軽く手を上げる。

「よろしくな」

「神谷凛太郎、セッター」

短い一言。

それなのに気になる。

「3年はもう一人いるんだけど――」

一瞬だけ、空気が止まる。

「今は色々あって、お休み中だ。戻ってきたらまた、紹介するな」

軽い口調なのにどこか、重く感じる。

(……お休み中?)

 

「じゃあ次1、2年」

みんなが淡々と自己紹介する中、元気な声が体育館に響き渡った。

「じゃあ俺の番ね!」

「俺は守屋!リベロやってる!レシーブなら誰にもまけないよ!」

守屋から順に2年生、1年生と続き自分の番が回ってきた。

「……マネージャとして、参加させていただくことになりました。橘結衣です。初心者で分からないことだらけですが、皆さんをサポートできるよう精一杯がんばります!よろしくお願いします。」

「よろしく」

と水谷。

拍手と共にいろんな方向からよろしくと聞こえてきた。

やっと、『チーム』に入れた。そんな気がした。

その時ふと、視線があった気がした。

 ……気のせいかもしれない。

でも、目を逸らしたのは、私だった。

「よし、少し話すぞ」

水谷の声でみんなの視線が水谷に向かう。

「みんなもわかっているだろうが、うちの目標はまず8月のインターハイの出場だ」

チームの顔つきが変わる

「そのための予選が、5月にある」

(……もう、そんな近いんだ)

「で、今のままの実力じゃあ勝てない。そこで監督と相談して、ゴールデンウィークに合宿やる」

「そのまま練習試合も組んでる。ここで仕上げるぞ」

一気に、現実味を帯びる。

ただの、部活じゃない。

ちゃんと勝ちに行くチームなんだと、

改めて感じた。

「……私、できるかな」

つい、ぼっそっと吐いてしまった。

「―大丈夫だろ」

すぐ後ろから、低い声。

振り向くと、凛太郎が立っていた。

「最初はみんなそんなもんだし。何かあったら俺か、部長に言え」

相変わらず、表情はそのまま。

でも少しだけ、距離が近く感じた。

  

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ