入学編「男女でキスしたら妊娠するの!?」
「しかし、少年えらいことをしたな君」
「何がですか?」
「キスだよ、キス」
待機室へ戻った二人に先輩がかけた最初の言葉がそれだった。
「先輩は知ってるでしょう。治癒魔法の発動条件」
「いやまあ、知ってたけどそれをあの場でやるかい?
全クラスに中継されてるんだよ?」
「あ」
そこで練は全部中継されていることを思い出した。
これからクラスに戻るわけだがどんな顔をして戻ればよいだろうか。
そんなことを考えていたら強烈な右フックが練を襲った。
部屋の壁まで吹き飛ばされる。
「いってぇ……!! 悪かったけど殴ることはないだろ!! 」
「本当に何してくれてるのよ! 強姦魔! 」
えぇ……となっている、練に美柑はさらに追い打ちをかける。
「赤ちゃんができたらどうするのよ!!! 」
その言葉の意味を理解できなかった。
え、こいつそんなうぶだったの?と、思った練。
「まあ、それに関してはあとで産婦人科に連れて行ってもらえると思うよ。多分」
と、フォローを入れている佐城先輩。
「え、キスで産婦人科行くってマジ? 」
思わず言葉に出ていた練。
すると、美柑と佐城先輩に女の敵みたいな目で見られる。
「えぇ……俺、そんな悪いことしたの? 」
「当たり前だろ。そういう行為ほどではないにしろ、キスすると子供ができるなんてあたりまえじゃないか」
と佐城先輩が言う。
(…………はぃ?)
思わず口をへの字に曲げてしまう練。
キスで子供が生まれる?ありえないだろ。と。
だが、二人の反応を見るとレイプされた本人と、それに付き添う保護者のような構図になっている。
(なんだか嫌な予感がしてきた)
そう思った練は、待機室に置いていた自分のスマホで調べた。
キス、妊娠、と。
すると、妊娠の事例が出てくるわ出てくるわ。
それに青ざめる練。
(治療のためとはいえとんでもないことした、俺!?)
「あの……なんとお詫びを申していいか……」
「最悪よ! 治療のためでも、女の子を傷物にしてくれて! もうお嫁にいけない! わーん! 」
そう言い泣き出してしまう美柑。
実はとんでもないことをしてしまったと青ざめる練だった。




