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入学編「新入生歓迎大会1」

「では、ホームルームを始めます」


 そう先生が言うと、全員が起立し、学級委員長が号令し一礼する。

 そして、着席。


「皆さんは一度説明を受けたかもしれませんが、改めて、この学校のカリキュラムについて説明します」


 先生が、そう言うと、黒板に文字と図を描き始める。


「魔法師高校は、普通の高校とは違う専門高校という学校です。

 分類でいえば、工業高校や商業高校と同じ部類です」


 図には、一般高校と専門高校と書かれ下にいろいろ書かれている。


「共通しているのは、必修科目があること。これは高校である以上、必修である教科がある点です。

 違う点は、必修部分さえ押さえていれば学校は独自のことを教えることができます。

 この学校では、魔法教練、格闘訓練、射撃訓練、救命講習などを受けていただきます」


 魔法教練は、攻撃魔法以外にも移動、治癒など魔法全般を汎用的に扱う。

 なので、対象が対魔人戦とは限らないのが特徴だ。

 対して、格闘訓練と射撃訓練は、対魔人戦に特化した訓練である。

 救命講習はいわゆる、一次救命とも言われる魔法を用いない治癒での初動対応を学ぶ。


「特に各々の魔法適正を鑑みてカリキュラムは組まれます。

 ですので、午前の必修科目以外は皆さん、少しだけ時間割りが異なっていると思います」


 その言葉で、ざわつくクラス。各々の時間割りを見せ合おうとする者もいた。


「静かに。皆さんの目下の目標は、来月にある新入生歓迎大会に参加することです」


 その言葉に、全員が頭に?マークを浮かべた。


「内容は二対二の模擬戦です。

 一部試合は、全校生徒が見ますので無様な真似はしないように」


 その言葉に全員が口をへの字にした。


「あの、模擬戦ってことは戦うんですか?」


 いきなり実戦なんて、と言わんばかりの様子で質問する生徒。

 その言葉に、先生は冷たい言葉でこう言い放った。


「あなた達、何をしにこの学校へ? 」


 その言葉に全員が黙り込む。


「あなた達、魔人から人を守るために入ったのではないの? 」


 そう言われ、ざわざわとざわめくクラスメイト。

 先ほどまでと違う先生の態度に若干引いている。


「わかっていない方がいるようなので言っておきます」


 と、先生は前置きをして、少しの間を置く。

「お前ら、その制服を着てるってことは魔人と出くわしたら真っ先に身を投げ出して戦うって覚悟でこの学校に来たんだろうが。ああ? 」


 その言葉で、教室の空気が殺気立つ。

 無論殺気を出しているのは一人だけで、あとは全員怖がっている。


「まさか、いねぇよな。魔人を目の前にして、真っ先に逃げ出す奴は」


 そうすごむ先生。

 その迫力にクラスメイトも、押し黙る。

 なんなら、半泣きになっている子までいる。


「逃げたい奴は、今すぐ転校しな。でなければ戦う覚悟はできてるってことだよな? 」


 そう、確認を取る先生。今どきの時代にパワハラもどきがあるとは予想してなかった練。


(初対面の時あんな優しかった先生がこの殺気……、ヤバいな……)


 そう、思わずにはいられなかった練


「だが、右も左もわからない奴に武器持たせていきなり実戦なんて鬼な真似はしない。

 そのために、訓練してやる。それがこの一カ月だと思え」


 そう吐き捨てるように言う先生。


「いいか、今のお前らは自分のおむつも交換出ない赤子同然だ。

 だが、この一カ月で多少はマシになれ。わかったか」


 その問いに全員が黙り込む。


「返事はァ! 」

「「「はい! 」」」

「声が小さいわ! 」

「「「「「はい! 」」」」」


 この問答の後、先生は普通に戻り、一年の流れを説明していたが、さっきのが本性かと全員疑心暗鬼状態になった。


 *** 


「一か月後の新入生歓迎大会についてですが、さっきも言ったように二対二で行います。

 組み合わせはこちらで行っていますので、確認をしておいてください。

 以後の初期訓練はその人と二人一組で行っていただきます」


 そう言うと、先生は手元のタブレットを操作する。

 すると、全員の端末がほぼ一斉になった。


「今、ペアとなる人物の情報を端末に送りました。

 この授業終了後にでも探しに行ってください」


 そう先生は言い次の話題に移っていた。


(ペア、か)


 錬はまだ見ぬ相棒となる人物のことを考えていた。

 この学校に男子はいない。

 必然的に女子になるが、どんな人なのか。

 考えられずにはいられなかった。


 *** 


 入学後のしばらくは、見世物のパンダ状態だった。

 この学校は一クラスが二十名程度で構成される。

 一学年の定員は百六十名だが、魔法が使えるかの足切りラインで常に定員割れを起こしているそうだ。

 現に同級生は約百人。他学年も、似たような人数だそうだ。

 そのほぼ全員が錬を一目見ようと教室前に殺到する始末。

 普通にしていたいが、普通にしていられない。

 そんな学生生活を送っていたが、人込みを押し分けてこのクラスではない人が何人か入ってきた。


(早速、ペアを探しに来たのか)


 各々がクラスメイトに聞きまわり人探しをしていた。

 だが、ある人物だけは俺を見るなり近づいてきた。


「あんたが、春場練。でいいのよね」


「その通りだけど、あんたは? 」


 そう言うと、その女子は不機嫌そうにこう答えた。


「あたしは鳴海美柑。あたしのペアってことになるわね」


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