another view「一仕事終えて」
あの後、しばらくして増援が到着した。
けど、魔人の痕跡はすでに消え、結局見つからなかった。
私は、病院へ行き軽いメディカルチェックを受けた後、帰宅した。
制服のままベットへ身を投げて、天井を見つめる。
(私、まだ生きてるんだ……)
ふとそんなことを考えてしまう。
無策に突っ込んでいった私、それを全力でフォローしてくれた春場君。
今回も、春場君がいなければ、私は死んでいた。
春場君にすべて頼りっきり。
これでは、どの口で復讐だなんだと言えるのか。
そして、死の間際、思ってしまった。
復讐なんてどうでもいい、生きたい。と。
命なんてどうでもいいと復讐に燃える私、情けなく返り討ちにあう私、死にかけてやっぱり生きたいと思う私。
それら全部が、戦闘が終わってから私の中を駆け巡って、どうしようもなくなってしまった。
増援が来るまでの間、春場君はぐちゃぐちゃになっていた私にそっとやさしくいてくれた。
(男なんて嫌いだ)
けど、春場君はそれでもいてくれる。
春場君はやさしい。きっと誰にでも優しいのだろう。
けど、その優しさに文字通り命を救われている。
修羅場的な意味でもそうだが、精神的にも。
(これは、きっと……)
そう考えだすと、顔が熱くなる。
心臓もドクンドクンと鐘を鳴らす。
けど、嫌な気持ちじゃない。
(復讐をしなくちゃなのに……これじゃあ……)
思わず枕に顔を埋める私。
復讐とこの気持ち。これからどうすればいいのか。前途多難だ。と思った。




