昼飯での詰問
「それで何があったんですか? 話してください」
「……分かったよ」
でもこれを正確に伝えるなら先輩にもあのことを言わなければいけない。でもそれは彗にわるい気がしてならなかった。どうしたものか。
「まあいろいろあって彗と別れることになった」
「その色々が訊きたいのよ」
「そうですよね」
ほんとになんて言ったものか。
「なるほど……」
月は答えあぐねいている俺を見て察したのか考え込むように顎に手を当てる。
「え、なにか分かったの?」
「はい。とりあえず朝日さん。あとで二人で話しましょ」
「月ちゃん、私は仲間外れ?」
「そうですね」
「そんなあっさり認める?」
「だって事実ですから」
「ふーん。そういうこというんだ。いいし、いいし」
先輩はいじけてタヌキうどんを啜りだした。
「先輩、解決したら話すのでそれでいいですか?」
「私が力になれることはない?」
「ないです」
俺が言うよりも先に月が言う。
「月ちゃんには訊いてないわよ」
「おそらくないですね。けど何かあったら頼みますね」
「うん。まあ、それで許してあげるわ」
「それで先輩」
「ん?」
「昨日は部活にいったんですか?」
「……そういえば今日、あんた唐揚げ弁当なのね」
先輩は明らかに話題を逸らした。
「いってないんですね」
「そうよ。わるい?」
「さすがにそろそろ行きましょうよ」
「分かってるわよ。そんなの」
これ以上は拗ねすぎて話してくれない気がするからやめておこう。
「先輩」
「ん?」
「信夫先輩とはあれからどうですか?」
「ああ、何もないわよ」
「そうなんですか?」
話題を変えるためだけれど、実際に気になっていたことだ。少し見ただけだけど、すぐに引くような人だとは思えなかった。
「ええ。なんか本当になんもないのよ。まあ私が部活に行ってないっていうのもあるけど」
「確かにそうですね」
「仕方ないじゃない。そういえば月ちゃんは昨日はどこにいたの? 結構探したんだけどいなくてさ」
先輩は食べ終わって、暇になったのか、それとも話題を変えたいのか、月にそう訊いた。
「外の階段ですよ。その上にいました」
「そこか。けっこういそうなところを探したんだけどなー」
月はあっけらかんに答える。もう吹っ切れているようだった。彼女がもうあんな顔をしないのならそれはなによりだ。
「私も初めていきましたよ」
「もう大丈夫なの?」
「はい。もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
「気にしないで。先輩だから」
「ありがとうございます」




