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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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家族の団欒にて

「にいにもういっかいよんで!」


 あれから家に帰った俺はすぐに貰った絵本をひかりに渡して読み聞かせをしていた。


「別の本もあるよ?」

「んー、これがいい!」


 ひかりはソファに座るおれの足の間にすっぽりとハマって絵本を持つ俺の手をペシペシと叩いてくる。


「はいはい。じゃあいくよ」

「ん!」


 それは夜ご飯の準備の時間まで続いた。母さんから『今から帰る』と連絡がきてからひかりをソファに降ろしてキッチンに向かう。

 母さんが仕事で遅くなる時は俺が夜ご飯を作ることになっている。何を作ろうか。俺は冷蔵庫をざっと見る。まあなんでもいいか。冷凍庫に小分けになっている豚肉を取り出す。今日は生姜焼きにしよう。楽だしあんまり金もかからない。




「ただいまー」

「おかえりー」


 すぐに母さんが帰ってきた。料理はあとは皿によそうだけだ。


「ありがとね。料理を作ってくれて」

「全然大丈夫だよ。母さん、お疲れ様」

「うん」


 そう言って荷物をソファに置いた。


「あれ、ひかりその本どうしたの?」

「ん! すいにもらった!」

「それは……」


 母さんは俺の方を見てくる。


「なんか片付けてたら出てきたんだって、捨てるのも勿体ないからって言ってくれたんだ」

「前もぬいぐるみ貰っちゃったし、なんだか悪いわね。しっかりお礼言った?」

「うん」

「今度改めてお礼しないといけないわね」

「だね」


 俺は炊飯器から米を茶碗によそってテーブルの上に持っていく。


「おいしそう。あさひも料理上手くなったね」

「もうけっこう作ってきたからね」

「ありがとうね。本当に助かっちゃう」

「気にしないで。料理も慣れたらけっこう楽しいし」

「明日も遅いんだっけ」

「うん。ごめんね」

「気にしないで。ほら、早く食べよ。冷めちゃうから」

「そうだね。ほらひかりも絵本を置いてご飯たべよ」

「ん!」

「「「いただきます」」」


 我ながらうまい。少し生姜が強い気がするがそれは仕方ない。


「朝日、その彗ちゃんにお礼したいんだけど、電話繋いでくれない?」


 飯の途中、母さんが端を置いて言った。


「えー、俺からしっかり言っとくから」

「きっちりしたいの」

「そう言われてもあっちも求めてないと思うし、恥ずかしいし」

「それでもよ」

「ひかりもおれいいう!」

「うん。えらいねー」


 母さんは隣に座るひかりの頭を撫でる。


「本当は会ってお礼を言いたいのだけれど」

「うん。電話後でするよ」

「よろしくね」


 直接親に会わせるとか嫌だし、最悪家に招待する話にもなりそうで嫌だ。だったら電話でちゃちゃっとお礼を言う方が楽だ。あとで、メッセージを送っておこう。


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