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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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二人との遊びとミス

「すず、すい、こんにちは!」

「うん。こんにちはー」

「こんにちは」


 そこから三日後、俺たちは前に偶然彗と鈴と会った公園に二人と遊ぶために来ていた。


「あそぼ!」

「ひかり、その前に言うことがあるでしょ?」


 俺はひかりの頭の上にポンッと手を置く。


「あ! すい、ねこちゃんありがと!」

「ん。きにしない」

「ねこちゃんって何?」


 鈴が首をかしげて言う。


「あー、前に彗と会った時にひかりにってくれたんだ」

「そう。あげた」

「えー! 私も誘ってよー。そしたら私もひかりちゃんにプレゼントできたのに」


 唇を尖らせながら言う。まだ誰も俺たちが付き合っていることを教えていないので、デートだなんて言えない。別に隠しているわけではないし、何なら隠さない方が俺にとっては都合がいいのだけれど。でもまあ彗が何考えているか分からない以上俺から言うのも憚られる。


「んー」


 鈴はそんな声をあげながら自分の鞄を漁っている。


「あ! これなら!」


 鞄の中から何かを取り出すと、ひかりの前までトトッと行った。


「これあげる!」

「あめ?」

「うん! あたしのお気に入りなんだー」

「ありがと!」


 ひかりはその飴をしっかり手で受け取って笑顔でそう言った。しっかり感謝の言葉を言える子になって良かった。鈴はその笑顔にときめいたのか「きゃー、かわいいー」とか言いながら、うりうりとひかりの頭を撫でている。


「はやくあそぼ!」

「ん」

「なにするのー?」

「ん! 今日はおままごと!」

「おままごとかー」

「そう。にいちゃはあんまりやってくれないから……」

「そっかー。じゃあおままごとしよ!」

「うん!」

「何のやくをやればいい?」

「んっとねー。すずがお母さんでー、すいがそのむすめで、にいちゃがそのかれし!」


 なんてタイムリーな設定だ。


「お父さんじゃないんだ!」

「うん!」

「ひかりちゃんは何の役なの?」

「それはねー、おとうさん!」


 わくわくした表情でひかりが手を上げながら言った。お父さんか。


「じゃあいくよ! ただいまー」


 ひかりがそう言った。


「おかえりー。あなた」

「ん。おかえり」


 えっとこの時って俺はいるのか?


「すいはこんなときまでスマホをいじらないの!」


 どこで覚えてきたんだそんな定型文。彗はそれに合わせて慌ててスマホを取り出していじり始めた。


「あなた、きっと彼氏と話しているのよ。ほら鞄をください」

「しかたないなあ」


 鈴はエアでひかりから鞄を受け取った。


「めしは?」

「もうすぐできるので待ってくださいね!」

「しかたないなあ」


 ひかりの中の父親像がかなり歪んでいる気がする。アニメやテレビの影響だろうか。それとも母さんの観ているドラマの影響か。これは母さんに強く言っておかなければ。


「にいちゃも!」

「え、今おれは何処にいるんだ?」

「んー、かれしなんだからすいとでんわしてる!」

「えっと、もしもし」


 俺はひかりの指示通りスマホを耳に当てて電話している風にする。


「もしもし」


 彗もそれに応じてくれる。


「いま何してる?」

「ん。ご飯ができるの待ってる」

「そっか。今日のご飯はなに?」

「かか、今日のご飯はなに?」

「んー、ハンバー……、グ……」


 彗のそのセリフに鈴が固まった。どうしたんだ?


「彗、その写真なに?」


 あ。

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