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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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38/54

帰宅後

「にいちゃおかえり!」

「おかえりなさーい」

「ただいま」


 あれから彗を家の近くまで送ってから家に帰ってきた。


「にいちゃそのねこちゃはー?」

「ん? ああこれはひかりへのお土産だよ」

「くれるのぉ!」

「うん。彗からのプレゼントだからお礼言おうね」

「ん! にいちゃ、すい、ありがと!」


 渡した猫のぬいぐるみに頬ずりしながらひかりはそう言った。


「ひかり、良かったわね」

「ん!」


 ひかりは母さんの方にテテテッと行き、猫のぬいぐるみを掲げてみせた。


「かわいいね」

「ん! ねこちゃ!」

「うん。ねこちゃだねー」


 母さんは差し出された猫を撫でている。


「ちゃんとお礼しないとね」

「ん! にいちゃ、またすいとすずとあそびたい!」

「んー、二人にも予定があるからな」

「あそぶ!」

「とりあえず聞いてみるよ」


 俺が折れてそう言うと、満足したように最初にいたソファの方へ駆けていった。


『ひかりが鈴と彗と遊びた言ってるんだけど、暇な日ってあるか? 嫌だったら全然断ってくれて構わない』


 俺は部屋に戻って、そう二人にそれぞれ送った。返事はすぐ返ってきた。

『言ってくれればいつでもいいよ!』と鈴から、

『ん。嫌なんてことはない。いつでも』と彗から送られてきた。

 俺は二人に『ありがと、じゃあ日付決めたらまた送るわ』と送って、携帯を放ってベッドに倒れこんだ。

 変なことになってしまった。先ほどまでの自分はなんであんなに受け入れていたのかと思い返しながら枕に顔を埋める。あー。別に彗に恋愛感情がないのは分かってるし、だから付き合うなんてことを受け入れたんだ。だからあんなことはパフォーマンスだと思うし、彗はもっと相手を理解したいという目的のためにやっているだけなんだ。

 そのはずなんだけどなぁ。危うく気を許してしまいそうになる。本当に付き合ってはいるけれど、通じ合っている仲ではないのだ。そう。俺にはお似合いの関係なのだ。何も期待してはいけないし、身をゆだねてはいけない。

 俺は勢いをつけてベッドから立ち上がった。鞄から今日撮ったプリクラを取り出す。


「……」


 それを俺は机の引き出しのうち、鍵が必要な段の中に置いた。


「あさひー、ご飯よー」

「分かったー。今いくー」


 俺は引き出しを戻してからリビングに行った。

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