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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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31/54

期末テストの結果

前回の発表の時と比べて掲示板の前は空いていた。それでも人は多く、順位が気になるというより暇つぶしで来ているのだろう。

 隣の月は手を胸の前で組んで、真剣な表情で紙が貼りだされるのを待っている。健吾と鈴は自分たちは流石に順位に載れないと言って、教室にいる。彗もそれに合わせて、健吾たちといっしょに一緒にいると言って教室に残っている。


「一位取れましたかね」

「さあ。それは今は先生のみぞ知るってやつだな」

「それは……そうですけど……」


 間もなく、前回と同じように先生がロールを持ってきた。何だか俺も緊張してきた。


「え……?」


 月は紙を見て固まっていた。紙の一番上、一位のところに『月夜野 月』と書かれていた。その下の二位の名前は彗の名前でなかった。


「どうして?」


 彗の順位はそこからかなり下、六十位のところに名前があった。横に書いてある点数は490点だった。前回のほぼ満点と比べたら圧倒的に低くなってる。


「一位だね」

「……ちょっと行ってきます」


 一位を取ったのにあんまり浮かない表情だった。暗い顔をしながら速足で教室へ行った。教室にはそこまで人はおらず、鈴たちのグループと何人かがいるだけだった。

 そして一直線に彗の席にいくと、その机に勢いよく両手をつけてそう言った。


「彗さんどういうことですか」

「? 一位取れた?」

「それです」

「なにが?」

「わざと点数減らしましたね」

「……別に私は一位いらない。推薦とか狙ってる人に譲る。成績は最低限あればいい」

「私は与えられた一位なんていらない。そんなの何の価値もない」

「価値はある。外から見たら同じ一位」

「そんなもの関係ありません」


 二人のこの一発触発な場に俺たちは固まる。なんならも月の方はもう爆発しているかもしれない。


「二人とも一回落ち着こ? なにか誤解があるかもしれないし」

「ない。つきが言ってることはじじつ」


 鈴の指摘にすぐ彗の方から否定が入った。


「なにがきにいらない? 別に月に損はなかったはず」

「損得の話はしてませんし、損はありましたよ」

「なに?」

「私が勉強した時間です」

「? それこそ分からない。目標の一位は取れたはず」

「私が欲しいものじゃないからです」

「? 意味不明」

「そうですか。分かりませんか。じゃあもう話すことはないです。ライバルだと思ったのに……」


 そう言って月は自分の席に行ってしまった。ど、どうしよう。隣にいる健吾と鈴も何をしたらいいか分からず固まっている。まさかこんなことになるなんて。


「えっと彗?」

「なに?」

「わざと点数下げたのは事実なの?」

「ん。一位取りたいって言ってたから。だから譲った」

「そっか……」

「なんで月は怒ってる?」

「そうだな……。なにから話そうか」


 説明をしようとしたところ、タイミングが悪くチャイムが鳴り、先生が入ってきてしまった。


「ごめん。また後で説明するから」

「ん。分かった」


 この状況、どうしようか。

 

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