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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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30/55

意図不明なメッセージと期末試験

『あさひ』

『どうしたの?』


 期末試験の前の夜。突然彗からメッセージが来た。


『つきは一位になりたいの?』


 そしていきなりそんなことを言われた。


『どうして?』

『ちょっと気になったから』


 んー、言っていいものか。まあでもそんな隠すことでもないのか? 口止めされているわけではないし、むしろ「聞いてみる」と言ったらしれはもう答えじゃないか。


『まあそうなんじゃないか? 前回二位だったし』

『そっか。分かった』


 それっきりメッセージは送られてこなかった。本当に何だったんだ?


 一日目、試験は恙なく終わった。試験は合計七科目二日間、どちらも午前中に行われるので、午後の時間はすべて勉強の時間にあてられる。


「ふー」


 健吾が教室の椅子の背もたれに寄りかかりながら息を吐いた。俺はその正面で明日の教科の勉強をしていた。


「なあ朝日、ここはどう解くんだ?」

「ああ、ここは……」


 一度集中が切れたと思ったのだが、健吾はすぐに持ち直してまた勉強を始めた。今回はしっかりやる気だ。これならしっかり赤点を回避できそうだ。少し離れたところでは鈴たちいつもの三人が勉強をしている。そのため時々、「うわぁー」とか、「うー!」とか鈴の悲鳴が聞こえてくる。けれど、焦りがあるのかしっかり勉強しているようだ。俺もそれに倣って勉強を再開した。

 二日目の試験も無事に終わった。あとは、結果の張り出しを待って、終業式さえ終わればもう夏休みだ。俺は席を立ってバイトへ向かおうと教室を出る。


「朝日さん」

「ん?」


 月がちょうど近くにいて声をかけられた。


「お帰りですか?」

「うん。今日からまたバイト」

「駅の方でしたよね? 途中まで一緒に帰りませんか?」

「いいよ。帰ろうか」

「ありがとうございます! 荷物取ってきますね」


 そう言ってパタパタと自分の席へ行き、鞄を取って俺のもとまでまたパタパタと小走りで戻ってきた。


「行きましょうか」

「おう」


 そんなに急がなくても良かったのに。


「朝日さんは今回の試験はどうでした?」

「んー、まあ前回よりかは解けたかな。わんちゃん二桁になるかもぐらい」

「それはいいですね」

「月さんは?」

「私はですね……」


 月は少しためを作った。


「実は結構できました! これは打倒、彗さんも夢じゃありません!」

「そっか。それはすごいな」

「今回は前回よりも頑張りましたから」

「そういえば、一昨日、彗から月が一位目指しているのかってメッセージがきたんだけど。教えても良かったか?」

「え? 全然かまいませんけど……。何故でしょう」

「それが俺にも分からなくてさ、本当にそれだけ聞いてきたんだ」

「なるほど……。これは私をライバル認定してくれて、その敵情視察でしょうか」


 月は軽く握りこぶしを作っている。これは燃えている。


「勝てるといいな」

「はい! もし、万が一。いや億が一、ここで勝てなくても、次はもっと勉強して勝って見せます!」

「それはすごい気合だな」

「はい。彗さんはライバルですから!」

「じゃあ頑張らないとな」

「はい!」


 そんな話をしながら俺たちは駅の方向へ向かって歩いて行った。ここまで頑張っているともっと応援したくなってくる。俺ももう少し勉強頑張るか。


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