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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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勉強会にて~月の作戦実行~

 俺たちは今、勉強をするためにいつもの駅近のファミレスに来ていた。


「あー! もう疲れた!」


 勉強を始めて三十分ほどですぐに鈴が悲鳴を上げた。


「では鈴さん、糖分を補給するのはどうでしょうか。文献によると糖分を補給すると頭の回転が早くなるらしいですよ」

「そうなの! じゃあパフェ食べよー」

「彗さんはどうでしょうか」

「んー。のった」


 彗は少し考えた後、月の提案にのった。月、ガッツポーズ隠れていないぞ。

 二人は月の作戦通り、勉強道具をおいてメニューを開いてパフェを選んでいる。俺の隣の健吾はうんうんと唸りながら勉強を進めている。


「なあ朝日」

「なんだ?」

「このにっこりちゃんマークはなんだ?」

「にっこりちゃんてなんだ?」

「ほら、これ」

「んー、これは和集合だな」

「……わ?」

「よし基本からやろうか」

「よろしく頼む。流石に補修は嫌だからな。部活の試合とかもあるし」


 それは確かに頑張らないといけないといけないな。別に余裕があるわけではないけれど、しっかり教えてあげよう。


「お待たせしましたー」


 それから少し教えている間に三人が頼んだであろうパフェが届いた。


「美味しそー! 勉強といえばやっぱり甘いものだよねー」


 鈴が目を輝かせながら目の前に届いたパフェにスプーンを伸ばす。同様に他の二人もパフェを食べ始めた。三人の目の前にはパフェが三つ並んで、それぞれ食べている。もはや勉強道具が端に追いやられていて、彼女たちの勉強のやる気のなさを感じる。これも月の作戦の内だろう。彗はひょいパク、ひょいパクとチョコがよくかかったパフェを一定速度でずっと口に運んでいる。頭痛くならないのだろうか。


「ん? あさひほしい?」


 俺が見ていたら彗が不意に俺の方を向いて、そう言いながら頭を傾げた。


「いや、大丈夫だよ。食べな」

「しかたない。ほら」


 何を考えているんだか、彗はパフェ特有の細長いスプーンにチョコがかかったアイスを乗せて俺の顔の前に差し出してきた。


「大丈夫だって。食べな?」

「えんりょしなくていい。あさひはいつもほとんど食べない」


 ぐいぐいとスプーンを揺らした。


「腕つかれてきたからはやく」


 そのまま開いていない口に突っ込みそうな勢いだったので、俺は潔く口を開けた。


「ん」

「んっ」


 口に突っ込まれたパフェは思ったよりもドロドロでいやに甘かった。俺がごねている間に少し溶けたのだろう。


「ありがとな」

「ん。どういたしまして」


 彗はそのスプーンのまま、パフェをすくって口に入れた。

 結局月の作戦通り女子陣はパフェに夢中で勉強はあまり進んでいない様子だった。俺は勉強しながら付きっきりで健吾に勉強を教えていた。これで月も勉強できていないのなら本末転倒になるのでは? まあ結果はテストが終わったら分かる。

 ただ唯一、鈴の勉強だけが心配だ。月は別で教えてあげているのだろうか。

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