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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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体育祭の終わりと打ち上げの話

 体育祭はそれから応援合戦やリレーを経て、何事もなく無事に終わった。


「盛り上がったねー」

「だなー。普段話さない人とも話せたしね」

「それねー」


 あれから勝負はもっと白熱して、勝敗は俺たちが所属する白組が優勝することができた。


「これから打ち上げでも行くか?」

「確かにあり!」

「ありよりのあり」

「その、私もいいんですか?」

「いいに決まってるじゃん!」

「他のクラスメイトたちも誘うか!」

「だね! みんなで勝ったんだし!」

「じゃあ、クラスグルに流しておくなー」

「任せた!」

「あさひも、くる?」


 彗が俺の袖を引いて聞いてくる。


「あー、すまん。今日バイトだ……」

「むぅ」


 彗はそう言って微妙に口角を下げた。こんな感情を表に出すのは珍しくて、とても申し訳ないような気持になる。


「なんだ、朝日来れないのか?」

「ごめんな流石に当日に変えてもらうのはちょっとあれだし」

「んーしょうがないか」

「えー、朝日来れないのー」

「ごめんって」

「残念です。いっそ別日にしますか?」

「でももうクラスグルに流しちまったぞ」


 なんだかこんな雰囲気にしていたたまれない。


「……」


 どうしようか。行けないのはどうしようもないとしてもこんな雰囲気にするのは本意ではないのだ。


「じゃあ、このメンバーでもう一回打ち上げするのはどうでしょう?」


 おずおずと月が手を上げながらそう提案してくれた。


「それ!」

「ん。つき良いこという」

「へ? へ?」


 まるで功労者に駆け寄る様に彗と鈴が月にグイッと近寄った。その二人の突然の行動に、おそらくスキンシップに慣れていない月はどうしていいか分からないようにわたわたとしている。


「……ははっ」


 俺はその様子につい笑ってしまった。すると三人の行動がピタッと止まって俺の方を見た。


「え? ど、どうした?」


 え、本当にどうした? なんかまずいことしたか? でも笑っただけだし……。


「よっしゃ、決定な!」


 その静寂に包まれた空気を読まずに健吾がドカッと俺の肩に腕を回した。


「ね! 決定!」

「んっ。まちがいない」


 その時、彗の顔がとても柔らかい笑顔になっていたのを見逃さなかった。帰り道しばらくその笑顔が頭から離れなかった。




「朝日、店長がもうあがっていいってさー」

「あれ、片づけは良いんですか?」

「今日疲れているからだろうしいいって」

「全然大丈夫ですよ」

「いやー私もそういったんだけどねー」

「いや、あんたが言うんかい」

「ははっ。冗談だよ」

「はあ。じゃあありがたくあがります」

「ういー、お疲れー」


 俺はバックヤードに行って着替えを済ます。スマホを開くとメッセージの通知が二件来ていた。開くと、そこにはカラオケに行ってるクラスメイトを含めるみんなの写真が送られていた。そして追加で『次は朝日も! 』と、送られていた。俺は『おう』と返してスマホを閉じて店から出た。


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