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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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24/55

体育祭、それぞれの種目にて

 体育祭の準備や練習は順調で、怪我も不安もなく当日を迎えることができた。あえて何か言うなら、鈴は少し騎馬戦の上になってしまったと不満げだったことぐらいか。とても喜びそうなものだけれど、なんでも高い所かつ安定しないことが嫌らしい。


「よっしゃーいくぞー!」


 それでも元気にしている姿に俺を含めたクラスメイトも元気を貰い、みんなで「おー!」と続いた。

 気温は高く、日照りもすごいがそれも気にならないぐらいの熱気が校庭に溢れていた。開会式が終わり、直ぐに鈴が出る騎馬戦が始まった。


「頑張れー!」


 みんなで応援する。騎馬戦の話をしていた時の不安そうな表情はもうそこにはなく、ただ猛々しく敵の鉢巻きを狙う姿があるだけだった。これは期待できるのではないか。鈴の手が正面の敵の頭に伸びる。相手はそれに対応すべくのけぞるが、その距離を補うように体ごと前にでる。


「あ」


 その瞬間だった。横から来た敵にひょいっと鉢巻きを取られてしまった。鈴はその場で数秒固まったのち、頭をがくりと垂らした。


「鈴の仇は俺らが取るか」

「だな」


 隣で応援している健吾とそんな話をしてから俺たちは二人三脚の準備に向かった。

 俺たちは入場ゲートを抜けてスタートラインに立つ。足を紐で結んだ後健吾と肩を組む。日差しのせいか練習の時よりも熱い気がする。


「よっしゃ! やってやろうぜ」

「おう」


 そして俺たちは出走の合図と共に全力で走りだし、無事一位を取ることができた。健吾とハイタッチした後、応援してくれていた鈴たちにガッツポーズを送った。


「ナイス」

「お疲れ様です」


 退場の帰り、次の出番である彗と月とすれ違った。


「二人も頑張って」

「任せろ」

「はい!」


 俺たちが応援席に戻る頃にはすでに二人はスタートラインに立っていた。同時に何人もの人がいて、走行レーンの先にはお題が書いてあるであろう紙が教室に置いてあるのと同じ机の上に置いてあった。

 開始と同時に全員がスタートする。すっごいわちゃわちゃしてる。もうどこに誰がいるか分からない。とりあえず「頑張れー」と応援してみた。そのまま応援してると、その集団を抜けて二人がこちらへ走ってきた。


「あさひ、くる」

「朝日さんお願いできますか?」

「えっと二人について行くのはありなのか?」

「まあいいんじゃないか?」


 とりあえず俺は持ち出していた椅子から立ち上がって二人のもとへ行った。


「よし。いくぞ」

「あ! ちょっと待ってください」


 彗は俺の腕を取って走ってゴールの方へ向かい、月はそれを追いかけるようについてくる。ゴールには何やらにやついた生徒がマイクを持って立っている。


「ゴールおめでとうございます! ではお題の確認しますねー」

「えっとまずは……」


 そう言ってその生徒――おそらく先輩であろう。は月の紙を広げ見る。


「えっと、『友達』です! これは問題なくクリアですねー」


 月は安心した様子で胸を撫でおろしている。続いて彗の方の紙を見た。


「次の方はー、『今特別に仲良くしたい人』です! いやー青春ですねー」


 なんて? 俺は問い詰めるように彗の方を見る。


「ぶい」


 いや、何でそこでピース?


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