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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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ひかりとの邂逅

「にいちゃ! はやくはやくー」

「すぐ行くよ!」


 ひかりはブランコに満足すると、すぐ俺を滑り台の方へぐいぐいと引っ張ってくる。


「すべりだい!」


 そう言って俺も一緒に登らせようとする。


「にいちゃは下で待ってるよ」

「にいちゃもいっしょ!」

「分かった、わかったから」


 ひかりは滑り台の階段の途中からでも変わらずぐいぐい引っ張ってそう言うので、俺はそれに負けて一緒に階段を登った。滑り台は子供用なので男子高校生が入るだけでとても窮屈だった。けれど、ひかりはそんなことまったく気にする様子はなく、滑る体制を整えていた。


「じゃあ滑ろうか」

「ん!」


 ひかりを足の間に俺は滑り台を滑った。


「きゃぁぁ!」


 一秒ほどですぐ下に着く。


「にいちゃ! もういっかい!」

「うん。もう一回行こっか」

「ん? あさひ?」


 もう一度滑り台を登ろうとした所、そう話しかけられた。声のした方を見るとそこには鈴と彗がいた。


「ああ、彗に鈴じゃん。どうしたの?」

「それはこっちのセリフ」

「俺は……」

「にいちゃ……だあれ?」


 ひかりは彗や鈴に隠れるように俺の服を引っ張ってくる。


「ああ、えっとね。この二人はにいちゃの高校の友達だよ」

「おともだち!」

「うん。だから挨拶しよっか」

「うん! えっと、ひかりです! よんさいです!」

「ひかりちゃんねー。私は鈴だよ! えっとね今十五歳です!」

「わたしは彗。十五歳。ひかりよろしく」

「ん!」

「ひかり、よろしくおねがいしますは?」

「よろしくおねがいします!」

「よく言えました」


 俺はひかりの頭を撫でる。


「えへへっ」


 ひかりは撫でられながら、とてもまぶしい笑顔を向けてくれた。かわいい。


「俺は妹のひかりと公園で遊んでるんだ。そっちは?」

「私たちは散歩してたんだよ」

「そう。良い天気だし」


 二人は近くに設置されていたベンチに座った。


「そうか。じゃあ気を付けてな」

「え?」

「え?」

「まだ帰らないよ?」

「まあそれはいいけど散歩の続きはしないのか?」

「するわけないじゃん! こんな面白そうなところ見つけたんだから。それにー」


 鈴は言葉を溜めてひかりのところへと、ととっと来る。彗もそれについてきた。


「こんなにかわいい子見つけたら帰れないって!」

「……?」


 ひかりは突然の鈴の襲来にぽかんとしている。


「かわいい?」

「うん! めっちゃかわいい!」

「えへへ」

「うっ! かわいい……」


 破顔するひかりに鈴はときめいたようで膝と手を四つん這いになるように地面に着いた。


「すず、だいじょうぶ?」


 心配するようにひかりは鈴の頭を撫でた。


「ぐはっ!」

「まったく、鈴はなんじゃく」


 彗はひかりの頭に手を置いて撫でる。


「ひかり、おねえちゃんが遊んであげよう」

「いいのぉ!?」

「ぐっ」


 ひかりのキラキラとした眼差しに彗も鈴と同様に倒れる。お前たちはいったい何をしているんだ。


「お前たち早く立ち上がれ、ひかりが困惑してるじゃないか」

「はーい」


 そう言って鈴はすぐに立ち上がったのだが、彗は全く動かない。


「ほら彗も」

「あさひ」

「なんだ」

「わたしはまだ立ち上がるわけにはいかない」

「なぜ」

「私だけまだ頭を撫でられていない」


 思ったより下らない理由だった。何を言ってるんだ。


「すい、なでてほしーの?」


 そう言いながら光はまだ項垂れてる彗の頭を撫で始めた。


「あまえんぼうさんだね!」

「くぅ」


 彗は言葉にもならないような声を発しながらそのまま腕までも地面に着いた。

 いや本当に何をしているんだ。

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