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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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16/55

結果発表と週末の約束

 中間テストが終わり、俺たちは結果が貼りだされる廊下の掲示板の前にいた。掲示板の前には俺たちの他にもたくさんの人でごった返していた。うちの高校では個人の成績よりも先に、朝に上位百位の張り出しがあるらしい。


「私の名前あるかな?」

「そんなにできたのか?」

「いや、全然」

「できてないのかよ」

「そういう健吾はどうなのさ」

「そりゃもちろんできてないぞ」

「まあそうだよねー」


 鈴と健吾がそんな漫才を繰り広げている。俺はまだかなとまだ何も貼られていない掲示板を眺める。すると彗と月夜野さんが隣に来た。


「よすよす」

「うす」

「おはようございます」

「月夜野さん、一位はとれそう?」

「どうでしょうか。でも解けない問題はなかったです」

「それはすごいな。彗は?」

「よゆー」


 彗はいつもの無表情、無抑揚のままそう言った。それと同時にロール状の紙を持った先生が来た。


「どいてくださーい」


 みんなはその紙を覗き見るようにその周りに集まる。とても歩きづらそうにしながらも先生は掲示板の最前線まで来て、その紙を元々掲示板に刺さっていた画鋲を用いて貼っていった。


「え?」


 月夜野さんが声を上げた。ロールがほどかれていく時、順位が一番上のものから名前が見えていく、そしてその一番上に「水上 彗」の文字があったのだ。俺は彗の方を見る。彗は俺の視線を感じてか俺の方を見て、


「ぶいぶい」


 ピースをした。本当に余裕だったのか。隣の月夜野さんは信じられないものを見たかのように固まっている。しかも月夜野さんの名前は彗の下にあった。ちなみに俺も含めほかの三人の名前はなかった。


 結果の詳細はその後のホームルームで小さな紙で配られた。俺は百三位だった。まあ三百五十人いる中では良い方じゃないだろうか。ホームルーム終わり、他の人はどうだったか聞こうと思ったが、彗や月夜野さんはクラスメートに囲まれているし、鈴と健吾は結果が悪かったのか机に突っ伏している。

 俺は仕方なく席の周りの人とどうだったか話していると、急にポケットの中の携帯が揺れた。


『突然の追加すみません。月夜野です』

『どうしたの?』

『実は少しお聞きしたいことがありまして』


 月夜野さんがさっき囲まれていた方を見るともうそこに月夜野さんはいなかった。


『なに?』

『彗さんってそんなに頭良かったんですか? いや、馬鹿にしてるとかじゃなくて、結果見せてもらったら英語以外満点だったので』

『俺もびっくりした』

『そうなんですね』


 俺は犬がうんうんと腕組みするスタンプを送って、スマホを閉じた。そして少し経って再びスマホが震えた。


『東さん』

『はい』


 返事がない。


『どうした?』


 そう送ってしばらくしてから、


『東さんは今週末お暇でしょうか?』

『土曜日はバイトだけど日曜日はなにもないよ。なんで?』

『少しお話したいことがありまして、お時間いただけないでしょうか』

『二人で?』


 またしばしの間があった後、


『はい』

『分かった』

『では十一時に駅の東口に集合でよろしいでしょうか』

『了解』


 そしてペコリとお辞儀するタヌキのスタンプが送られてきた。俺もスタンプを返してスマホを閉じた。話したいことっていったい何だろうか。彗のこと気にしていたし勉強関連だろうか。けれど二人か。うん、まあ何とかなるだろう。


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