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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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中間テストの通告

 校外学習が終わり、いつもの日常に戻ってきた。


「はい、聞いてくださーい。すでにそれぞれ担当の先生から聞かされてると思いますが、来週には中間テストがあります。みなさん入学してから初めてのテストになると思うので頑張ってください」


 朝のホームルーム中、先生からそう言われる。みんな来月に控える体育祭にワクワクしていた時だった。確かに授業中に何度も言われていたな。けれど忘れていた人も少なくなかったのではないだろうか。 

 その証拠に健吾と鈴の方を見ると二人揃って俯いていた。


「以上でホームルームを終わりまーす」


 それだけ告げて中里先生は教室を後にした。それと同時に健吾が俺のもとへ来た。後ろには鈴と彗もいる。


「なあ朝日、分かるだろ?」

「いや分からないぞ」

「いーや分かるはずだ」

「はあテスト勉強か?」

「その通りだ」

「そんなキリッと言うなよ」

「ということで一緒に勉強会をしましょう!」


 鈴は健吾の言葉に乗っかって言う。別に俺も勉強ができる方ではないのだけれど。できるとしたら彗か?


「どこでするー?」

「図書館とか?」


 あたかももう決定したかのように話し合いが進んでいく。まあ悪い話ではないか。


「でもそんな話せないよ」

「そういえば朝日もバイト先喫茶店って言ってたよな?」

「そうだけど嫌だぞ」

「えー」

「えー」

「ええー」

「仲良く言っても駄目だ」

「なんでだよ。大丈夫だ金は落とす!」

「そういう問題じゃない。別に教室でもいいだろ?」

「えー」

「えー」

「ええー」

「やかましいわ」

「あの……すみません」


 俺たちの声がでかくて話を聞いていたのか月夜野さんが入ってきた。なぜだ。


「あ! 月ちゃん。どうしたの?」

「えっとですね。私もその勉強会に参加したくて……」

「つきちゃん勉強にがて?」

「いや、そうではなくてですね。勉強会というものを一度してみたかったんです……。実は昔から憧れていまして」

「したことないの?」

「お恥ずかしながら……」

「じゃあいっしょやろ! てかもう私たち友達なんだからさ、遠慮しないで入ってきてよ!」

「いいんですか?」

「もち」

「当たり前!」


 彗と鈴は月夜野さんを囲んで歓迎ムードだ。結局どこでやるのだろうか。そしてその答えを求めるように鈴が口を開いた。


「ねえ月ちゃんも朝日を説得してよ。朝日のバイト先の喫茶店でやろうって思ってるのに」

「えっと東さんは喫茶店でバイトをしてらっしゃるのですか?」

「ああ、うん」

「本当ですか! すごいです!」


 ぐいっと月夜野さんが距離を詰めてくる。びっくりした。


「あっ……す、すみません……。ついテンションが……」

「い、いや全然大丈夫だけど」

「ほんっとにすみません」


 彼女はさっきよりも遠いところまで下がって俯いた。よく見ると耳の先まで赤くなってわずかにプルプルと震えている。きっと以前よりも素を見せてくれているのだろう。よく分からん。


「とりあえず喫茶店で勉強会はしない。やるなら教室で。以上」

「えー」

「ほら授業始まるぞ」


 そう言い切ると同時にタイミングよくチャイムが鳴った。みんな(特に鈴)は不服そうに自分の席へとかいって言った。


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