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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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校外学習の終わり

「いやー楽しかったな!」


 帰りのバスの前で健吾が言う。あれから部屋のやつらと枕投げしたり、恋バナを聞いたりして初のクラス行事の夜を過ごした。いつも健吾たちのグループといるので、他のクラスメートとしっかり遊ぶのはとても新鮮だった。


「あさひ、ここすわる」


 バスに乗り込み、どこに座ろうかと真ん中の通路を奥に向かって歩いていると、すでに席に座ってる彗から声をかけられた。


「どうした?」


 俺は廊下側の席に座った。


「あさひ、きさま持っているな?」

「なんのことだ?」

「誤魔化してもむだ。私は知ってるし覚えてる。だすんだ」

「……わかったよ」


 俺は行きで開封しなかったお菓子を座席についてる机にのせた。


「わたしもある」


 そういって彗もお菓子が入っている袋を取り出した。


「いっしょたべようぜ」


 彗がこぶしを握って出してくる。


「だな」


 俺もそれに答えてこぶしを合わせた。すぐにバスは走り出した。彗と適当にお菓子をつまみながらくだらない話をしているうちにすぐに学校へ着いた。やはり、彗との会話は心地よい。


「この後どっか行くか?」


 学校に着いて解散になったとき、健吾がそう切り出した。


「あー、すまん。今日バイトだ」

「まじかー。じゃあ、まあやめとくか」

「だねー。行くならみんなでがいいし!」

「ごめんな」

「きにすんな」

「じゃあ解散すっか!」

「だねー。みんなまたね!」


 その声を合図に各々の帰路を目指して歩き出した。俺はバイトがあるのでそのままバイト先へ向かった。


「あの! すみません!」


 校門を出てすぐ、後ろから声を掛けられる。


「月夜野さん。どうしたの?」

「あの、その……」


 声をかけられたときの勢いは見る影もなく、今は俯いてもじもじとしている。なんなんだ? 特に話しておくべきことはなかったと思うけど。


「えっと、その……」


 俺は二の句を待つ。バイトがあるので急かしたい気持ちは大きいが、急かしたら逆に遅くなることは分かるのでただ、ジッと待つ。


「バイトってどこでやってるんですか?」

「へ?」

「あ、いや、すみません。なんかてんぱっちゃって」

「いや。大丈夫だよ」

「すみません。出直してきます」


 そういって月夜野さんはタッタッと走って行ってしまった。本当に何だったんだ。聞き出そうにももう行ってしまった。俺はしばらくそこで去って行く月夜野さんの後ろ姿を見ていた。見えなくなって行こうと振り返ると、


「あさひ!」


 鈴の声が聞こえた。そして、月夜野さんと入れ替わるようにこちらへ来た。


「ごめんねー。月ちゃん、何も言えなくて」

「いや、全然かまわないけど。鈴は何か知ってるのか?」

「んー、知ってるけど、これは私の口から言うことじゃないからなー。ごめんね!」

「わかったよ」

「これからさ、ちょこちょこ月ちゃんが話しかけてくるかもしれないけど、あんまり邪険に扱わないであげてね。それだけ! バイト頑張って! あ、あと協力してくれてありがとね!」

「お、おう」


 そういって鈴はタタターと来た道を戻っていった。一体何のことだか分からないけれど、時間も少ないしとりあえずバイトに行こう。


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