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第8話:【放送事故】天界の最高神をBANしてみた!隠し財宝(エロ本)を全世界に公開www

「……シーッ! 皆さん、音量注意ですよ。今、俺は異世界の頂点、天界の最深部『至高の聖域プライベートルーム』の前に立っています。見てください、この扉。純金製ですよ。成金趣味ですねー。でも、Wi-Fi……じゃなくて神界アンテナの感度は過去最高! 16K画質の超高精細でお届けします!」


ツヨシは【魔導ライブ・カメラ】を自撮りモードに切り替え、黄金に輝く巨大な扉の前で不敵に笑った。

昨日の「天使と魔王のラーメン実食配信」で得た収益は、もはや国家予算を数回塗り替えるレベルに達している。そのマナ(投げ銭)を全て身体強化につぎ込んだツヨシにとって、天界の警備などザルも同然だった。


視界の端では、配信開始からわずか3分で同接数が500万人を突破。コメント欄は、未だかつて誰も立ち入ったことのない聖域の光景に、興奮と恐怖でカオスと化していた。




《魔法学園の女子:ツヨシ様、ついに神様に喧嘩売るんですか!? 罰が当たりますよ!》



《聖女:……と言いつつ、聖域のインテリアが気になるのでガン見してます!》



《隠居した賢者:おい、その扉の結界は『因果律』を操る神の権能だぞ。触れた瞬間に存在が消滅――》




「賢者さん、因果律とか難しい話はいいんですよ。配信者は『物理』で結果を出すのが仕事ですから。はい、ここで皆さん、景気づけのスパチャお願いします! 神の扉を『削除デリート』するためのエネルギー、ください!」




《王都の大富豪が【神殺しのマナ(虹スパ 1,000,000G)】を投げました!》



《大富豪:神のプライベートを晒せ! 100万Gだ、ぶち破れ!》




「キタアアアア! 虹スパ100万G!! 腕の筋肉が……銀河の鼓動を感じる! いくぜ、必殺……『アカウント永久停止アカウント・デッド』!!」


ドォォォォォォォォン!!


ツヨシが虹スパの魔力を乗せて【自撮り棒】を突き出すと、宇宙の真理すら書き換える衝撃波が走り、数億年の間、一度も開かれたことのない神の扉が、ボロアパートのふすまのように無残に吹き飛んだ。


「――な、何事だッ!? 我が聖域に土足で踏み入る不届き者は!!」


部屋の奥から、雷鳴のような怒声が響く。そこにいたのは、長い白髭を蓄え、玉座にふんぞり返る老人――この世界の最高神・ゼウス(仮)であった。

しかし、その手元には、明らかに神々しくない「人間の国のグラビア魔導書」が握られていた。


「おはようございます、最高神様! 今、全世界に生中継中なんですけど、その手に持ってる本、リスナーの皆さんに詳しく紹介してもいいですか?」


「……なっ!? お、お前……誰だ!? というか、何故ここに……というかその光る棒は何だ! 因果律の壁はどうした! 守護天使軍団はどうしたぁぁぁ!!」


最高神は顔を真っ赤にして跳ね起き、必死に魔導書を背後に隠そうとしたが、既に遅かった。ツヨシのカメラは、100倍ズームでその「健全ではない表紙」を捉え、全世界の網膜に焼き付けていた。


「ツヨシです! 今日の同接、ついに1000万いきました! 神様、あなたの隠し趣味、今から人間界と魔界でトレンド入り間違いなしですよ!」




《魔法学園の女子生徒:神様……趣味悪い……(引き気味)》



《辺境のドワーフ:神様も男だったってことかwww 親近感湧くわwww》



《視聴者数が1200万人を突破しました!!》




「お、おのれぇ……人間風情が! 神の威厳を汚した罪、死をもって償うがいい! 我がいかずちよ、この不届き者を塵に――」


最高神が右手を掲げ、世界を滅ぼすほどの雷撃を放とうとした瞬間、ツヨシはカメラを自分に向けたまま、一切動じることなくスマホ(型の魔導板)を操作した。


「あ、神様。その攻撃、うちのチャンネルの『規約違反』なんで。運営権限で……はい、BAN(削除)です」


ツヨシが空中で指をパチンと鳴らす。すると、最高神が放とうとした雷撃が霧のように霧散し、それどころか彼が纏っていた神々しいオーラまでもが、パジャマ並みの薄っぺらな光に変わってしまった。


「な……!? 我が権能が……消えた……? 馬鹿な、この世界は我が創ったはずだ! 何故だ!!」


「神様、わかってないなー。今のこの世界は、俺の配信画面を通して再構成されてるんですよ。つまり、この空間のルールを決めるのは、神様じゃなくて『配信主(俺)』なんです。あ、あと今の威圧的な態度は『ハラスメント』に該当するので、さらに追加でステータス90%ダウンね」


「……ま、待て。殺さないでくれ。話せばわかる」


最高神は震える手で、自分の前に現れた「配信管理パネル(ツヨシが具現化したもの)」を眺めた。そこには【神の権限:制限中】という非情な文字が浮かんでいた。


「……た、頼む。このアーカイブは消してくれ! 代わりに……天界の秘宝、神の雫も、黄金のリンゴも全部やる! だから、その……『低評価』と『通報』だけはやめてくれぇぇ!!」


「おっ、最高神から賄賂……じゃなくて、豪華プレゼント企画の協賛いただきましたー!! 皆さん、やりました! 天界の宝箱、全開放(物理)です! これも全部、応援してくれたリスナーのみんなのおかげだよ!」


ツヨシは震える最高神を横目に、部屋の隅にある「絶対に開けてはいけない宝箱」を自撮り棒でこじ開けた。中からは、神々の黒歴史が記された日記帳や、人間界から没収した怪しい魔導具が次々と溢れ出す。


「はい、これ全部視聴者プレゼントにしまーす! 欲しい人はチャンネル登録して、コメント欄に『神様パジャマ似合わない』って書いてね!」


翌朝。

天界の最深部まで「物理と配信規約」で到達し、最高神を半泣きにさせたツヨシの伝説は、もはや神話を超えて「宇宙の真理」として語り継がれることになった。


王都の神殿では、神々の像が次々と撤去され、代わりに「自撮り棒を掲げ、最高神の頭を踏みつけてピースするツヨシ」の巨大なホログラム像が建立された。


「……え、いや、ただの暴露系企画なんだけど。あと神様、次回の企画『神々と行く、無人島サバイバル100日間・魔法禁止縛り』、出演OKだよね? 拒否権はないですよ、BANされたくなかったら」


「……う、うむ。喜んでお供しよう……(涙目)」


ツヨシの配信は、今や世界の「理」そのものをマネジメントし、運命さえも再生数で支配する「絶対神のチャンネル」へと昇華していた。


異世界転生しちゃったので、ネット配信者になってみた。

ツヨシの【物理削除】は、ついに概念としての「神」さえも、一人のタレントへと変え果ててしまった。

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