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歪み愛  作者: お嬢
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3/4

約束したよね

「うーーん、やっと学校終わった!はやくパフェ食べに行こ」


楽しそうに肩を揺らし、すぐにでも教室を出ようとするのを待ってもらい明日の授業で使う物を用意する。


「はやく、終わっちゃう!!」


「うん、もう大丈夫。待ってくれてありがとう、行こっか」


さりげなく、けいちゃんの手をぎゅっと握り教室を出る。


けいちゃんもぎゅっと握り返してくれて、何故か少し大人しくなる。


不思議に思い振り返ろうとした時、前方から名前が呼ばれた。


「恵実さん!少し話があるんですけど今大丈夫ですか」


話したこともない男子が目の前で赤く緊張した表情で道を塞いでいた。



(めんどくさい...せっかくいい気分だったのに...早く終わらせよ)


「少しだけなら...けいちゃんごめんね、ちょっとだけ待ってて?」


ぎゅっと握られてた手を離そうとするけど、さらにら力強く握られてしまい手を離せそうになかった。


「けいちゃん?」


「もういい、早く行けば?……こんなブスに時間取られるなんて、恵実がかわいそ~wwさっさと終わらせなよ」


その一言で空気が凍りつき、けいちゃんは振り返りもせず歩き出した。


「えっとじゃあ行きましょうか」


気まずいのも嫌で、さっさと終わらせようとけいちゃんの横を通り過ぎ、外へ出て適当な場所で向かい合った。


体育館裏まで行くのは遠いし、名前も知らない彼に時間を使う気にもなれない。


「この後用事あるので、はやめに」


「恵実さん!!ずっと好きでした、見てる事しか出来なかったけど友達からでもいいので付き合ってください!!」


(友達から付き合うってどういうこと?)


勇気を出して告白してくれてるのに、心は冷めていた。

返す言葉は決まってる。


「ごめんなさい、私付き合うとか考えられないので。気持ちを伝えてくれてありがとう」


軽く会釈をして帰ろうとするが、まだ何か言いたいのか「あの!」と声をかけてくる。


「なに?手短にお願いします」


「と、友達!友達からでいいので!」


(めんどくさ……これ断っても粘られるパターンだよね。どうしよう)


適当に断りたかったけど、時間もないし仕方なく「友達からなら」と答えてしまった。


「ほんと!? じゃあ……握手!」


差し出された手を前に、握手する気なんてさらさらなかったけど、終わらせるために仕方なく応じようとする。


そう思って手を伸ばした瞬間、横からぎゅっと別の手に掴まれた。



「ねぇ、遅くない?何してんの?……こいつのせいだよね?」

睨みつけるような声色で、彼女は吐き捨てる。


「ブスが調子乗んなよ。何勝手に友達になろうとしてんの?きもいんだけど。握手とか求めてくんなよ。手汗つくってわからないの?これからは身分相応な相手探しなねww」


「けいちゃん……」


ぎゅっと、握った手にさらに力がこもる。

言いたいことをすべて言い切った彼女はそのまま私の手を引っ張り、校門へと歩き出した。


後ろに残された男子の表情なんてどうでもよかった。

もう二度と話しかけてくることもないだろうし、これから関わることもない人間だから。


早足で校門を抜ける。けれど、彼女の足がふと止まった。

当然、引っ張られていた私の足も止まる。


「どうしたの?...遅くなってごめんね、今日は奢るよ」


「いらない...お金は自分で出すから...ねぇ本当にあのブスと友達になろうとしたの?」


「うーん、なんか断れなさそうだったし。でもけいちゃんが来てくれたお陰で友達にならずにすんだよ、ありがとう」


「そう、ならいいけど。……にしてもさ、あのブス、なんで恵実に告ろうとしたんだろ。どう考えても不釣り合いじゃん。友達になるために握手? きっしょ!!セクハラじゃん!! あー無理、ほんとキモすぎ」


当人の私以上に怒りを爆発させているけいちゃんを見ていると、さっきまで抱いていた不愉快な感情も薄らいでいく。むしろ、けいちゃんの怒りっぷりを見ていると、なんだか私のストレスまで浄化されていくようだった。


「恵実はさ、優しすぎるんだよ。『無理です』ってはっきり言わなきゃダメ!言えないなら、今度からは私が代わりに言ってあげるから」


「うん……ありがとう。けいちゃん」


告白されるなんて、正直めんどくさいし嫌だと思ってた。

でもけいちゃんが隣にいて、こんなにも本気で怒ってくれるなら。

また誰かに告白されても……悪くないのかも。



「あれ? でも……なんで「友達になろう」って言われたこと知ってるの?」


「えっ……あー、その……まぁ……心配で見てたっていうか……監視してたっていうか」


思いがけず突っ込まれて焦ったのか、けいちゃんは視線を逸らす。

緊張しているのか、頬を人差し指で掻いている仕草が妙に可愛かった。


「ふっ……ふふっ」


「ちょっ、なに笑ってんの!?こっちは本気で心配してたんだからね!?わかってる?」


「うん、わかってるよでもね……けいちゃんの独占欲が嬉しくて。ほんとに可愛い」


「っっ……ぁ、あ~もう!!知らない!!先にパフェ食べるから!!奢りは恵実だからね!!」


けいちゃんは人を褒めるのは得意なのに、自分が褒められるのはダメダメ。

そのたびに耳まで真っ赤にして、拗ねたように取り乱す姿が可愛くて...

だから私はつい意地悪をしたくなってしまう。


「もちろん、奢らせて頂きます」


先に歩いていたけいちゃんの手をぎゅと手を握り締めて隣を同じペースで歩く。


不思議とけいちゃんも歩くスペースを落として寄り添うようにぎゅっと握り返してくる。



胸の中が甘い気持ちでいっぱいになり、パフェを全部食べれるか心配になってきた。


まぁそしたらけいちゃんに全部食べてもらえばいっか。
















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