第9話「最初の問題」
その後、昌幸に連れられてさまざまな場所を巡った。
会社のオフィスのような場所や訓練場のような場所など外観からは考えられないほど施設が豊富だった。
そしてひとまず案内が終わり、霧平は昌幸に使っていいと言われた部屋のソファーに座って考え込んでいた。
(壊すとは言ったものの...いい方法があんまねぇな)
考えているのはこれから自分の目的をどうやって達成するかという事だった。
(上級神?の奴らをどうやってやるかって事だが、あのセイって奴に動かなくされている時点でそれより上の奴らに敵うわけもねぇ)
霧平は自分の生き方に反するようなことを他人に強要されるのを嫌う。
しかし、そういうことが起こったからといって感情が制御不能になるほどではなかった。
(.....まずは会う機会を作らねぇとな、そうじゃないと上級神のおもちゃになるだけだ。.....チッ、結局のところ何か成果を上げるしかねぇか)
霧平はそばに立て掛けてあるバットを持ち上げて軽く振り回す。
(普通に考えて職員も多かれ少なかれ不満を持っていて、中には計画を立ててる奴もいるかもしれねぇが、バレたら全てがおじゃんだ。あの女はわからねぇが、他の職員にこれを話すことはできねぇ)
そんなこんなで霧平の当面の目標が決まる。
「ま、すぐできる事じゃねぇ。仕事しながら慎重に情報を集めていこう」
霧平は一旦考えるのをやめて伸びをする。
(壊すことだけを目指して気を病んだってしょうがねぇ。気楽に行こう、俺がやりたいことをやってけばいい)
そのまま霧平は設置されていたシャワーだけ使った後、すぐに寝入ったのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
翌日、昌幸に連れてこられて再び救護室に向かっていた。
どうやら気絶していた女性が霧平が寝ている間に起きたようだが、問題があって話を聞いてくれないらしい。
「ホントごめんねぇ〜、今日は本格的に顔合わせとかをしたかったんだけど一番可能性があるのが君だからさ」
おじさんは霧平に頭を下げながら進んでいく。
「別に気にしなくてもいい、こういうのを放っておいてロクな目にはあわねぇからな」
「いや本当にありがとう...」
そうこう話しているうちに救護室の前に着く。
「...来たかい。奥のベッドにいるからちょっと会ってみなさい」
昨日と同じように椅子に座っていた老婆がそう言う。
昌幸と霧平はカーテンを開けてベッドの様子を確認する。
「う〜ん、また起こしに来たんですか?もうちょい寝かせてくださいよ〜」
割と涼しげな顔をした女が布団に包まって寝言を言っている。
霧平は苦いものを食べた時のような表情の昌幸を見ながら、自分の顔がうんざりとした表情に変わっていくのを感じるのであった。
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