第5話「ようこそ、転生者管理局へ」
その言葉に霧平は腕を組んで考え込む。
(輪廻転生かこいつの下で働くかだぁ?....まず輪廻転生はありえねぇな、もし魂が俺でも記憶も何もなくなったとしたらそれは俺じゃねぇ)
霧平の選択肢から輪廻転生という手段は消える。
『どうかな?決まったかい?』
さっさと決断しろと言ってくるが霧平は無視を決め込む。
(こいつのことをぶっ飛ばせれば早かったが、あいにくそれは出来ねぇ。見た感じろくに鍛えてなさそうなのによくわからん方法で動きを封じてきやがる。.......決まりだな)
「わかった、お前の下につく。さっさと場所へ連れていけ」
『本当に君は生意気だね...それじゃあ連れていくよ』
霧平の偉そうな物言いに少し嫌な顔をしながらそう呟く。
すると突然周りの景色が変わった。
「なんだ....?」
霧平はバットを右手で持って警戒態勢に入る。
『慌てなくていいよ、ちょっと移動しただけさ。ほら、その子を引っ張って入ってきて。案内するから』
そう言いながら突然現れた建物の中に入っていく。
霧平は少し警戒しながら、いまだに気絶している女を持ち上げて入っていくのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
中はロビーのようになっていた。
奥にあるエレベーターが開き、霧平を含めて3人がそれに乗る。
ドアが閉まってエレベーターは上がっていく。
10秒ほどで目的の階に着いたらしく、エレベータが開いた。
奥にある椅子に未だに名前がわかっていない男子が座る。
『ようこそ、館山霧平くん。そして...まだ起きていないけど井上花乃さん。君たちは今日からここで仕事だ、命の危険はあるがその分ここで楽しく暮らすこともできる』
『僕の名前は...まぁセイでいいよ。さん付けでも呼び捨てでもなんでもいいから』
『......改めてようこそ、「転生者管理局」へ!僕は君たちを歓迎するよ!』
男子、改めセイは椅子に座りながらそのように言った。
セリフが決まったことに喜んでいるのか得意げそうに見える。
(....いや、こんな一気に連れて来られて「歓迎」は納得できねぇに決まってんだろ)
が、霧平にとっては半強制的にここに連れてこられてカッコつけられているだけ。
気絶している人も含め、場を和ませる人物がいないためお互い黙ったまま硬直してしまうのであった。
コメントや評価、レビューよろしくお願いします。




