第12話「局長、問題アリ」
「エリザちゃん、準備はできてるからあそこに座ったら?久しぶりのパーティーだし、楽しもう?」
「....あぁ、そうだな」
少しの間霧平とエリザの視線が交差していたが、昌幸がエリザに話しかけたことでそれは中断される。
エリザが来たことで職員が自分の席に戻り、静かになったところで霧平は腕を組む。
(.....あの女、相当だな。ちゃんと話しているように見えて頭の中は憎しみしかない)
本人は隠せているつもりだろう。
実際他の職員が気づいている感じはなかったし、少なくとも今見た限りは「真面目な局長」であった。
しかし、散々仕事で憎しみに飲まれた人間を見てきた霧平はエリザの瞳の奥の憎悪を見逃さなかった。
(俺が憎まれる筋合いは絶対にねぇ、.....となったらやっぱり神とか転生者関連のことだな?)
霧平は順序立てて局長の事情を考えていく。
(局長って事は偉いわけだからそれなりに長い間ここで働いているはず....まぁその中で誰か大切な人を失ったとか、もしくはそもそも働く前に何かがあったのか)
チラッと目線を昌幸とエリザに向ける。
2人は表面上は友好的に談笑を行っていた。
(まぁ、憎しみの矛先がこっちに来なけりゃ問題ねぇか。俺だって目標は上級神を苦しませること....利害が一致している分には大丈夫だ。そこは俺がなんとかしりゃいいからな)
そうこう考えているうちに再び人が集まってきた。
どうやら考え事は一旦中断らしい。
「おい、伊原だったか?いい加減起きやがれ、お前も職員達と話すんだよ」
霧平は考えるのは終わりにして、ずっと眠っている伊原を起こしにかかる。
「はい....もうちょ、みぎゃ!!」
尻の部分をバットで器用に叩くと、衝撃で飛び上がりながら叫ぶ。
「なんなんですか、本当に!」
「お前が勝手に寝るからだ、ほら向こうから歩いてきてる職員の相手でもしろ」
「いやだって私が寝たい時にね......ハイ、すいません。オハナシシマス」
伊原は霧平に向かって抗議をしようとするがいざバットをチラつかせるとカタコトになって命令に従った。
その後、霧平や伊原は他の職員達と会話したり、食事したりしながら時を過ごしパーティーは特に問題なくすぎていくのであった。
.......ちなみに局長の上の肩書を持つセイは霧平が起こした問題の報告書などを書いて、1人悲しく事務仕事に追われるのであった。
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