第13話「神は殺せる」
パーティーが終わった後、やつれた表情で現れたセイに「話がある」と言われて霧平と伊原、昌幸とエリザ、そして2人の職員がホールに残っていた。
疲れ切った様子で壇上に座り込んだセイはおもむろに話し始める。
「えぇ〜と、帰ってきたばっかりのエリザには悪いんだけど大規模な仕事が入りました」
霧平の知らない2人の職員がその言葉に動揺している。
「上級神たちが一つの世界に4人の転生者を突っ込んだっぽいんだけど、そのうちの1人が放っておくと厄介そうな力を手に入れて....はぁ」
よっぽど憂鬱なのか話している途中でため息をついている。
「まぁ、そいつのことは昌幸に頼むよ。他の転生者を操っているらしいから気をつけてね、....あと今回はあくまで『確保』だから」
「わかったよ〜、確かに人を操れるんだったらおじさんが適任だね」
セイのお願いを昌幸は快く受け入れる。
「それで君ら新人達は彼ら....中村武史くんと冬木亜紀さんに従って残りの転生者を『保護』するように」
「2人は新人の教育をよろしくね」
セイに言われた4人の反応はそれぞれだった。
霧平と伊原の先輩らしい2人の職員、中村武史と冬木亜紀はセイの言葉にコクリと頷く。
霧平は無言のまま言葉を受け流す。
そして、問題の伊原は。
「.....ほえ?」
また寝ていたのかわからないが、頭が働いておらず状況は読めないでいた。
「はぁ、君らはこれまで見てきた職員の中で一番話を聞かないね。....エリザ、君には世界の監督をお願いするよ」
そんな様子を見てため息をつきながらセイはエリザの方を向いた。
「滅多に現れないものとはいえ、犯罪転生者が現れるとは限らないからね。今回は新人にも行かせるしよろしく頼むよ」
「了解した」
エリザはセイのお願いに事務的な言葉で返答した。
「さて、じゃあこれで話はおわ....」
「おい、待てよ。犯罪転生者ってのはなんだ」
なんだか終わりそうな雰囲気になっているのを感じ、霧平は言葉の中で引っかかった部分をセイに問う。
「あぁ、そういや説明していなかったね。犯罪転生者っていうのは文字通り神界における犯罪を犯した転生者のことだよ」
忘れていたと言わんばかりにセイは犯罪転生者について説明する。
「その法っていうのは?」
「まぁ色々あるけどエリザが対応しなきゃいけないレベルなのは下級神、いや中級神を殺したとかそういうのかな」
「....なるほど、分かった」
(....いい情報を聞いたな)
霧平は思いがけないところで得られた情報にひっそりと口を歪める。
(どんな方法かは知らねぇが神は殺せるらしい、それなら上級神に痛い目合わせる可能性も上がってきた。目標に一歩前進、幸先がいいな)
霧平の考えに気づいていない他の5人は霧平の表情の変化に気を留めることもなく、そのまま話は終わるのであった。
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