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四葉と双葉に友情を  作者: 榊みつば
2章 過去
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19/28

19、優しい呼び名

これから、仕事をする

と意気込んだのはいいけど

何からすればいいのか分からず

緊張のせいか早く起きてしまった私は

ベッドの上に座って部屋を見渡していた

明るくなってから見ると

また、印象が変わる

自分が思っていた以上に

部屋は、広かった

家具も様々なものがあり

本棚には、びっしりと本が入っていた

私は、立ち上がり

本を見てみた

文庫から難しそうな小説、漫画まで

種類が豊富だった

その中に、私の好きな漫画が入っていた


「恋は、切なきもの」


失恋を描いた漫画

私が唯一好きになった漫画

物語を読むのが苦手な私に

友達が進めてきたもの

アニメ化もされたが

その前に漫画を何冊か買っていたから

そのまま、アニメは見なかった

その漫画を手に取り

ページをめくる

主人公がアピールしようとして

失敗するシーン

私が1番好きなページ

この話の中で一番のコメディ

なんだか、懐かしい気持ちになった

昔夢中になってた物

静かな部屋だったこともあり

私は、集中していたらしい

外から穂乃果さんの声が聞こえ

私は、我に返り時計を見た

気づけば、8時を回っていた

私は、急いで漫画を片付け

部屋を出た

そして、穂乃果さんに謝ると

笑顔で「いいのよ」と言ってくれた

そのあとに、「よく眠れた?」と聞いてくれた

寝れたかと言われれば寝れたかもしれないし

寝れなかったの事実

私は、曖昧に頷いた

すると、穂乃果さんは微笑んで


「そうよね、初めての場所で

今日から初めての仕事だもんね

ちゃんと寝れないわよね」

「そうですね」

「ふふ、緊張しなくていいわよ

最初は、お料理とお掃除をお願いしたいわ」

「わかりました」

「洗面所の近くに掃除道具入れがあるわ

好きにお掃除してちょうだい

お料理も調味料とか食材好きに

使っちゃっていいわ」

「ありがとうございます」

「それじゃ、私はお母さんの

お世話をしてくるわね」


そう言うと

穂乃果さんは、2階に行ってしまった

私は、掃除をすることにした

言われた通り掃除道具入れを開けた

中には、モップやら掃除機が入っていた

こんな、大きな家を掃除したことはないから

どこからどう掃除すればいいか分からなかった

とりあえず私は、近くにあった

モップを手に取り

2階から掃除をすることにした

ただ、2階には穂乃果さんとお母様がいる

寝ているかもしれないから

なるべく物音を立てずに掃除をした

一通り2階を終わらせ

次は、1階に行こうとしていた時

突然、穂乃果さんに呼び止められ


「ちょっと、今いいかしら?」

と声をかけられた

私は、何か悪いことをしてしまったのか

2階は、掃除しちゃダメだったのか

そんなことを考えながら

穂乃果さんの元へ行った

そして、穂乃果さんが放った言葉は


「蓋付きのコップがあってね

そのコップに水を入れてきて欲しいの

水は、冷蔵庫にあるわ

ストローも刺してくれると嬉しいわ」

私は、考えていたことと違って

少しポカンとしてしまった

けど、穂乃果さんの「大丈夫?」という声に

ハッとして


「あ、はい大丈夫です

お水ですね」

「そう、お願いできる?」

「はい、すぐ持ってきます」

「ありがとう、今手が離せなくて助かるわ」


私は、モップを壁に立てかけ

キッチンに向かった

蓋付きのコップは食器棚の前側にあり

すぐにわかった

水もストローもわかりやすいところにあり

すぐに持っていくことが出来た


2階に戻り扉をノックすると

中から穂乃果さんが

「入ってきて〜」と言った

私は、失礼しますと言いながら扉を開けた

中には、ベッドに寝ている穂乃果さんの

お母様と濡れたタオルでお母様の体を

拭いている穂乃果さんがいた

そして、穂乃果さんは手を動かしながら


「ありがとう、こっちに持ってきてくれる?」

「はい、どうぞ」


私がコップを渡すと

笑顔で受け取った

そして、声をかけながらお母様に

水を飲ませた

そのあと、コップを横のテーブルに置き

私の方を向いて


「お母さんが風邪をひいちゃって

多分、今日1日この部屋に籠るわ

お昼ご飯は、ななちゃんの分だけ

作ってちょうだい」

「え?穂乃果さんは」

「私は、いいわよ

こういうことよくあるし」

「そうなんですか」

「えぇ、ななちゃんは好きなの作って

もし、あれだったら出前取ってもいいわよ

取る前に言ってくれればお金出すわ」

「そんな、大丈夫です

自分で作ります」

「うふふ、わかった

あ、今更かもだけど」

「はい」

「ななちゃんって呼んでもいいかしら?」

「はい!大丈夫です」

「ふふ、ありがとう」

「じゃあ、私は掃除に戻りますね」

「わかったわ」


部屋を出て1階の掃除を始めた

ここに来たばかりなのに

穂乃果さんは、フレンドリーに接してくれて

まさか、あだ名がもうあったとは

思わなかったけど

でも、私は気に入っていた

そんなことを考えながら掃除をしていると

ふと、こんなに綺麗なのに毎日掃除するんだと

思った

確かに、掃除は大事だが

毎日する人と会ったことはなかった

だけど、理由は何となくわかる

穂乃果さんのお母様があの状態だから

だと思った

ホコリや、汚れを吸ってはいけない

その思いで毎日掃除を

それだけで、大変すぎる


1階の掃除も一通り終わらせ

掃除機をかけようかと思ったが

2人のことを考えて

今日は、やめておくことにした

今日一日は、なるべく

大きい音を立てずに過ごそうと決めた


次に私は、お昼ご飯を作ることにした

キッチンには、食器が綺麗に並べられて

調味料も豊富だった

そんな、キッチンを見て私はすごいと

思ったが

それ以上に

冷蔵庫を開けて私はびっくりした

中にあったのは

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