表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
ガイアス編
26/31

25.アースロード攻防戦

ボージェの砦:


 今日も、バグナール帝国軍の攻撃をボージェ砦が必死に防いでいる。


 おれは空飛ぶ自転車で、ボージェ砦上空を舞っている。

「スパルタン、グラッセ侯爵は敵の攻撃をよく防いでいるよな」

『はいマスター、まだ余裕があるみたいです』

 自転車から飛び降り、格納魔法で自転車を仕舞う。

 おれは自由落下で、ボージェ砦の中に落ちて行った。

「ドーンンン」


 兵士が集まってきて、遠巻きにおれを牽制している。

「オリオールの冒険者でタクマといいます、グラッセ侯爵様はどこですか?」

 遠巻きに見ている兵士を掻き分け、ドビアスが近づいてきた。

「タクマか!よく来たな」

「はい、冒険者ギルドで聞いてきました」


「今までどこに行っていたんだ?」

「マールス世界のイスカンド帝国本国までちょっと」

「イスカンド帝国本国に行ってきたのか!それは驚きだな。グラッセ侯爵が向こうに居る。付いてこい」



「おお、タクマ君か!待っていたよ」

「グラッセ侯爵、お久しぶりです。ずいぶん頑張ってますね?」

「あと数日は持ち堪えられそうだ。ただ、長引けば長引くほど死傷者が増える」


「紹介しよう、第三騎士団団長パトリス殿と国王第三軍司令官セレスタン殿だ」

「冒険者のタクマです。よろしくお願いします」

「第三騎士団団長パトリスだ。よろしく」

「国王第三軍司令官セレスタンだ。よろしく」


「グラッセ侯爵、状況はどうなんです?」

「バグナール帝国は、ここボージェ砦とガレック砦に兵を送って来た。

ガレック砦はすでに敵の手に落ち、ここボージェ砦はさっきいった通りの状況だ」

「マールス世界からの異世界人は強過ぎる。今はまだ40人程度だが、人数が増えると対処しようがない」

 グラッセ侯爵が説明してくれた。

「増員はないでしょう。マールス世界のイスカンド帝国本国を潰してきましたから。」

「タクマ1人でか?」

「ええ、1人で!」

「「「「…」」」」


「あのータクマ君、今このボージェ砦に攻め込んできている敵も、すぐ倒せたりするのかな?」

「ええ」

「「「「…」」」」

「じゃあタクマ君にお願いしようか?」

 グラッセ侯爵が敵の殲滅を提案してきた。

「いや、兵糧を潰して帰らせましょう。倒しきれなかった敵が暴走するとも限らない」

 ドビアスが敵兵を撤退させる方向で訂正してきた。

「なるほど。タクマ君、頼めるか?」

「任せて下さい」



その日の夜:

「行ってきます」

 敵陣まで走って行くことにした。

 敵陣に侵入すると、素早く移動し、物陰に隠れる。

 ほどなく兵糧を格納しているテントをいくつか見つけた。

 これを焼いちゃうんだよなー?何んか勿体ない。

(《セーブ(格納)》)

 勿体ないので、貰うことにした。

 突然テントが消えたことに驚き、敵兵が騒ぎ出した。

 おれは目立たぬように次々と兵糧を格納しているテントを格納していった。



 ついでに、現在運搬中の兵糧があるとまずいので上空から捜索する。

 兵糧を運んでいる部隊を見つけたので、その兵糧も頂き、ボージェ砦に戻った。



 翌日、バグナール帝国軍はボージェ砦に攻め込むことなく、撤退していった。


………

……


アースロード王国会議室:

「ボージェ砦がバグナール帝国軍の攻撃を退けました。バグナール帝国軍は自国に撤退しました」

「「「「おおー、勝ったか!」」」」


「ロートレック公爵、それで、ボージェ砦の軍を、ガレック砦の奪還に向かわせられるのか?」

 ハミエル国王が聞いてきた。

「可能です。ただ、戦争に駆り出された冒険者は、各人の意思を確認してからでないと連れていけません」


「何を馬鹿なことをいっている。我が国の冒険者が、我が国に従うのは当然ではないか?」

 ガイアール公爵が反論する。

「我が国の冒険者ではない、冒険者がたまたま我が国に居ただけだ」

「それでも今は我が国に居るのだ。有無もいわず駆り出せばいい」

「そんなことをすれば、今後我が国は冒険者の恩恵を受けられない」

「恩恵?冒険者から得られる恩恵など微々たるもんだ」


「とにかく私には、冒険者を無理矢理駆り出すことは出来ない」

「そうまでいうなら、高額の報酬を出そう。それでどうだ?」

「約束を違えることは無いだろうね?」

「失礼だぞ、ロートレック卿。われも公爵だ、約束を破ることはない」


……


オリオール冒険者ギルド:


「そういうわけで、すまんタクマ君」

 グラッセ侯爵がロートレック公爵の言葉を伝え、すまなそうに誤って来た。

「別に構わないですよ。お金に関しても、バグナール帝国軍の兵糧をそのまま貰っちゃたから、なんなら貰えなくても大丈夫だし」

「何、兵糧は焼いたんじゃなかったのか?」

「おれも初めは焼けばいいと思っていたんですが、勿体ないから貰っちゃいました」


「敵軍から奪った兵糧はタクマ君がそのまま持っていてくれ。そもそもタクマ君は軍に所属している分けでもなく、善意で我々を助けてくれているだけだからな。

それと、今度のガレック砦行きの報酬は私が冒険者ギルドに依頼するという形で支払おう。軍に雇われると軍法とか面倒事が多くて自由に行動できなくなるからな。

このことは、私からロートレック公爵にお願いして、国王に了承してもらうようにしよう」


……


ガレック砦:

 ガレック砦周辺の町は荒れに荒れまくっていた。

 砦を手に入れたバグナール帝国が、兵糧をアースロード王国内で賄おうとし、周辺の町から食料を奪い取っているためだ。

 そのため周辺の町では食料不足に陥っていた。


ガイアール公爵邸:


 ガイアール公爵邸は王城と見間違えるくらい、豪華だ。

 その一室で、ガレック砦の奪回について会議が開かれた。

 参加者

 ・ガイアール公爵

 ・ガイアール公爵軍司令官ブローマン

 ・第三騎士団団長パトリス

 ・国王第三軍司令官セレスタン

 ・バルサン侯爵


「これよりガレック砦の奪回についての軍事会議を行います」

 ガイアール公爵軍司令官ブローマンが仕切る。

「まずは、ガレック砦に居座るバグナール帝国軍は1万人。これに対し今回の作戦に参加するため集まった、我がアースロード王国軍はおよそ1万人です。

では、バルサン侯爵様、今回の作戦をお聞かせください」


「バグナール帝国の攻撃を、ボージェ砦が強固な防御魔法で防いだ。そのことを踏まえ今回は冒険者で防御魔法を使える者を多く募った。

その者達を使い、防御隊と攻撃隊で構成された特別部隊を作る。

敵は兵糧を現地調達に頼っているため、食料を求め必ず砦から出てくる。そこを特別部隊で叩き潰す」

 バルサン侯爵が作戦の基本方針を話した。


「よろしいですか?バルサン侯爵」

「何ですかな?セレスタン国王第三軍司令官」

「ボージェ砦の戦いは、攻城戦でした。

敵の攻撃してくる方向がある程度絞られていたので、辛うじて防御出来たのです。今回は野戦です。攻撃がどの方向からくるか分かりません」

「では、防御ができないと」

「そうですね、今のままでは難しいかと」

「では、防御に、より多くの兵を回しましょう」

 バルサン侯爵が、聞く耳を持たないという感じで議論を打ち切ってしまった。

 攻撃隊4人と防御隊3人で1つの特別部隊とし、100個の隊をつくることになった。


………

……

3日後:

 砦の中から500人ほどの兵が出てきた。

「バルサン侯爵様、敵兵が出てきました」

「そうか、ようやく出てきたか。では事前の作戦通り、特別部隊を前面に出し応戦しろ」


 アースロード王国軍の防御隊は、四方から押し寄せる敵の攻撃をよく防いだ。

 そのおかげで、攻撃隊も思う存分力を発揮出来た。

 敵軍が砦の中に引き返していく。



「どうだ、今の戦いは!?わが軍の勝ちといってもいいのではないか?」

 ガイアール公爵は勝ち誇ったように、喜んでいた。


……


翌日:

 砦の中から1万人ほどの兵が出てきた。総力戦だ!


 アースロード王国軍は、前日と同じように特別部隊を前面に出し応戦する。


「特別部隊、前に出過ぎだ。あまり本体から離れないようにしろ」

「左右からの攻撃に注意しろ」

 アースロード王国軍で声が飛び交う。



イスカンド帝国軍から変わった服を着た40人の兵士が出てきた。

40人の兵士は2つに分かれ、双方から特別部隊に攻撃を仕かけてきた。


 特別部隊から声が上がる。

「イスカンド帝国のやつらを自由にさせるな!」

「こっちの方向からも攻撃が来るぞ」

「《精霊の力を我に》《バリア(防壁)》」

「こう目まぐるしく攻撃されては、とても耐えきれない」

 特別部隊から悲鳴に似た声が聞こえてきた。



 特別部隊がどんどん崩れていき、アースロード王国軍が敗走を始めた。


………

……


ボクルンド町 ガイアール公爵邸:


「くそっ、ボージェ砦で行った作戦が通用しないではないか!?直ちに次の作戦を考えろ」

 ガイアール公爵が怒鳴った。

「承知しました」

 ガイアール公爵軍司令官ブローマンが神妙な面持ちで応える。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ