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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
ガイアス編
25/31

24.イスカンド帝国本国


 話はバグナール帝国とアースロード王国が戦争を始める少し前に溯る。


 おれがペルジュ王国の《転移の洞窟》の情報を集めていたところ、ペルジュ王国とバグナール帝国の戦争が始まった。


 ペルジュ王国の王都で《転移の洞窟》に関する資料を探そうと、王都に向かった矢先の出来事だった。

 王都は閉鎖され、一般人が王都に入れなくなった。

 王都に無理に入ろうとすれば入れないことも無いが、王都も戦争準備で混乱しているだろうと思い、入ることを諦めた。


 バグナール帝国は異世界であるマールス世界のイスカンド帝国と同盟関係にあるらしい。

 それはガイアス世界とマールス世界を行ったり来たりしていることになるな。

 おれはペルジュ王国の《転移の洞窟》の調査は一旦置いといて、少しバグナール帝国の《転移の洞窟》を調査してみることにした。


………

……


 バグナール帝国領の《転移の洞窟》に来ている。

 洞窟はすでにバグナール帝国の管理下にあり、何人かの警備隊が警備していた。

 それらを全て倒し、モヤを探して奥に入った。やがて紫色のモヤが目に入った。

(これに触れると、マールス世界に転移出来るのか!)

 おれは紫色のモヤに入っていった。


………

……


 どこかの町の中に転移した。


「お前はガイアスからの転移者か?」

 数人の警備隊がおれを取り囲んでいた。


(おれを転移者と認識しているのか?)

『彼らはマスターを転移者と認識しているようです』

(《転移の洞窟》で転移すると、毎回同じ場所に転移するんだろうか?)

『その可能性は大きいです』


「おい、お前はガイアスからの転移者かと聞いている」

「ああ、そうだ」

「ならバグナール帝国の者か?」

「いや、おれはバグナール帝国とは一切関係ない」

「まったく、向こうの連中は何をやっているんだ!?おい、お前、我々と一緒にくるんだ。」


 そのとき、またガイアスから人が転移してきた。

「そいつを捕まえろ!そいつは無断で転移してきた」

 後から転移してきた者が叫ぶ。

「お前はガイアスに行っていたシモンではないか?こいつは無断で転移した者なのか!」

 警備隊が一瞬驚くが、すぐおれを捕獲しようと行動に出た。


 逃げることも出来たが、敢えて捕まってみることにした。


……


 警備隊に連れていかれる途中、スパルタンに情報収集するよう頼んだ。

(スパルタン、この世界の情報収集を頼む)

『はい、情報を収集します』



「この世界には精霊の力がないといっていたが、そうなのか?」

『はい、精霊の力は存在しません。ただ、この世界の人間は体内の魔力を利用して魔法を使うことが出来るみたいです』

(スパルタン、イスカンド帝国というのは、どういう国なんだ?)

『数十年前にイスカンド帝国が、この世界の全ての国を征服しました。征服された国にはイスカンド帝国が領主を派遣したり、自治区として元々居た者に管理させたりしています』


……


 転移してきた場所からそう遠くないどこぞの部屋に連れてこられた。

 警備隊の尋問が始まった。

「お前はバグナール帝国に無断で転移したことに間違いないか?」

「無断と言えば無断だが、別にバグナール帝国の意思などどうでもいいことなんで」


「上の指示を仰ぐ必要があるな。お前の処分は一時保留だ。誰かこいつを牢に入れて置け」


………

……


翌日:

 警備隊によるおれの尋問が始まった。

「心して聞け、我が帝国はお前の情報をそれほど欲していない。有用な情報が無ければすぐにでも殺してしまえとの御達しだ。何か有用な情報を持っているのか?」

「これといって何の情報も持っていないな」

「そんなことは無いだろう。おれもお前を殺したくはないんだ!そうだアースロードについて何か知っていることはないか?」

(なぜアースロードと?)

『マスター、イスカンド帝国とバグナール帝国、はペルジュ王国を倒した後、アースロードに侵攻するつもりです』

「ガタッ」

 おれは少しの驚きと少しの怒りを覚え立ち上がる。


(いっそ今ここでイスカンド帝国をぶっ潰してしまおうか?

いや、政権が代わってもまた同じことを起こさないとも限らない)


「よし、代わりの政権を担える人材を探しに行こう。

スパルタン、どこかに政権を担えるような誠実な人間達はいないか?」

『《ラウリート》という自治区の人達が比較的誠実で温和な性格のようです』

「そうか、じゃあ会ってくるか」


 おれはそのまま部屋のドアを壊し、外に出るため歩き出した。


「おい、どこに行く!」

 後ろから声が聞こえるが、無視する。

「そいつを取り押さえろ」

 何人かがおれを取り押さえにきたが、全て無視して歩き続けた。おれの体に数人が群がった状態になっている。

「仕方ない、そいつを斬れ」

 何人かがおれに斬りかかってきたが、全て無視して歩き続けた。すべての剣は鉄でも叩いたように、弾かれた。


 外に出た。

 以前トウゲン村でキャシーさんとレイラさんに作ってもらった、空飛ぶ自転車を格納魔法で取り出し、ラウリート自治区に向け飛んだ。


………

……


ラウリート自治区:


 おれはラウリート自治区の中心都市にきている。

 それなりに整備されてる街だ。


 来てみて驚いた。ここの住人には猫のような耳と尻尾が付いている!

(スパルタン、この人達は?)

『獣人ですね』


 普通の人間も数は少ないけれど、この街で暮らしているようだ。


 とりあえず、この街の行政機関に接触しないと。

 役所にでも行ってみるか。


「あのー、自治区の区長さんに会いたいのですけど、どうすれば会えますか?」

 窓口にいた人に聞いてみた。

「どのようなご用件でしょうか?」

「イスカンド帝国の政治に対する意見と今後の対策を話したいのですが」

「分かりました。この用紙に面会内容と連絡先をお書きください。連絡先が無いようでしたら、直接こちらに来て経過をご確認ください」


………

……


翌日:


 区長との面会が叶い、面会室に向かう。


「初めまして、異世界から来たタクマといいます」

「初めまして、区長のモーリスです。いきなり異世界ですか!?」

「聞いていませんか?このマールス世界とガイアスという世界の間で人が行き来していることを」

「噂は本当だったのですか!?それでタクマ殿はそのガイアス世界から来たと?」


 おれはガイアス世界で起こっていることと、イスカンド帝国への不満を話した。


「では、私達に新しい国を作ってそれを治めろと?

確かに我がラウリート自治区と住人は、イスカンド帝国に虐げられています。イスカンド帝国を倒したいのは山々です。

ですが、倒すとしても何年かかるのかさえ見当もつきません。そもそもイスカンド帝国を倒せるとも思いません」


「いや、倒すのはおれがやるので、その後の統治だけをお願いします」

「あなたが1人でですか?仮に倒せたとしても私達の力では、新しい国を保持していけません」


「そこはおれの名前を使って、逆らったらまた酷い目にあうよって。

そうだ!影武者を作ろう。マスクとマントを身に着けて暴れてくるので、おれが居なくなった後に誰かがそのマスクとマントを身に着ければ、みんなおれがそこに居ると勘違いするでしょうから。

キャラの名はモーリス区長の名前をもじって《謎の仮面モークン》とでもしましょうか!?」

「我々獣人でも代わりが出来るように、耳の隠れるマスクにしてもらうと助かります」

「分かりました。それでは、おれはこれからイスカンド帝国を滅ぼしてきます」


以前ゴードンさんから貰ったマスクとマントを身に着け、空飛ぶ自転車に乗り、イスカンド帝国の王城に向かって飛んだ。


………

……


イスカンド帝国王城:

 城門の前。

「聞けー、おれの名は《謎の仮面モークン》。これよりイスカンド帝国を滅ぼす。歯向かうものは殺す」

 おれの無双が始まる。


「ドゴーン」

 城門を魔剣で破壊する。

 側にいた兵が一旦距離をおく。

「「「「「《我が内なる力を》《ファイア()》」」」」」

 火柱が何重にもなって、おれを襲う。

 業火の中、何事も無かったかのようにおれは歩みを続ける。

「矢を打てー」

「魔法を打てー」

 矢や攻撃魔法がおれの体に当たるが、無視する。

《サンダー()》)

 おれが放った数十本の雷が、遠方から攻撃してきた敵を襲う。

 城の中に入ると、何人かの兵士が剣を持っておれに向かってきた。すべて魔剣で斬り倒す。


「王室は何処だ?」

 一人の男を捕まえて問いただす。

「さ、最上階の部屋においでです」

「そうか、お前ももうおれに歯向かおうとするな」

 そういい残し、階段を登っていく。

 途中何人もの兵が、剣でおれに斬りかかってきたが、全て斬り倒した。


 最上階にたどり着いた。

(この部屋か!?)

 魔剣で部屋の扉を切り裂いた。

 扉の内側から2人ほど斬りかかってきたが斬り捨てた。

「お、お前は何者だー?」

 4人の衛兵に囲まれた、国王らしき男が叫ぶ。

「おれは、《謎の仮面モークン》だ!」

「ふざけたことを言うな!」

「しょうがないんだろう、そういう設定なんだから」


「なにが望みだ?」

「このイスカンド帝国の滅亡」

「なぜそのようなことをする?」

「おれの好きな国、いや、町かな。そこに戦争を仕掛けようとしたからだよ」

「まて、話し合おう。その戦争とやらは中止にしてやる」

「いや、お前らは信じられない。イスカンド帝国には滅んでもらうよ」

「…おい、衛兵、こいつを排除しろ。殺せー」

 おれは一瞬で衛兵4人を斬り捨てた。


「おい、国王以外で、お前らが知っている一番偉い奴を連れてこい」

 おれは廊下に顔をだして、遠巻きに見ている兵に向かって叫んだ。


……

 一人の男が王室に入って来た。

「私は宰相のドロテオだ」

「イスカンド帝国は先ほど滅んだ。後始末をしてくれ。拒否すれば元国王を殺し、この王都を焼き尽くす。返事を聞こう」

「その前に聞かせてくれ。あなたは誰だ?」

「おれは、《謎の仮面モークン》だ」

「ふざけてるのか!」

「しょうがないんだろう、そういう設定なんだから」


………

……


 おれ(《謎の仮面モックン》)は王都にラウリート自治区のモーリス区長を呼び寄せ、イスカンド帝国の滅亡と新政権《ラウリート王国》の設立を宣言した。


 それから少しの間、新政権が落ち着くまで見守り、影武者にマスクとマントを渡してマールス世界を後にした。







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