22.戦後のペルジュ王国
ペルジュ王国:
占領軍事務所。
バグナール帝国はペルジュ王国に、占領軍司令官として軍人のホフマン公爵を、占領軍副司令官としてイスカンド帝国遠征軍副隊長のダドリーを送り込んできた。
……
…
ペルジュ王国国王幽閉室。
処分が決まらないまま、国王ドラホミール、王妃リリアン、王女フレンダの3人が幽閉室に幽閉されていた。
「リリアン、フレンダ。すまん。わし等は処刑されるだろう」
そこへ人目を忍ぶように国王の元従者が部屋の中に入ってきた。
「国王様。これから隠れていた我がペルジュ王国軍の生き残りの兵が、騒ぎを起こします。その混乱に乗じてここを脱出しましょう」
「我々だけ脱出してもよいのだろうか?」
「こんな傍若無人な帝国や異世界人に支配されたままでは、この国の人々がさらなる不幸にみまわれます。
どのような形であれ、この国の人々を救わなければなりません。ここは一旦城を脱出して再起を図りましょう」
「そうか、任せる」
……
…
病室。
明莉と紬は、一命を取りとめ、病院で手当てを受けていた。
明莉は右腕の切断と軽度の全身火傷を負っている。
紬は左目を失明していた。
「紬、今日、王城にバグナール帝国の司令官が入城したらしいね。
ペルジュ王国軍として最前線で戦った私達は、戦犯になる可能性もあるわね」
…
「敵襲だー………」
部屋の外が何やら騒がしい。
「外でなにか騒ぎがあったみたい。紬、逃げるわよ」
「わかった、明莉ちゃん」
………
……
…
数日後:
ペルジュ王国とある村。
王都を脱出したペルジュ王国国王は、名も知らぬ村に逃れていた。
その村にバグナール帝国の捜索隊が現れた。
「ここに、ペルジュ王国国王が隠れているかも知れない。探し出すんだ」
バグナール帝国の捜索隊の声がする。
…
「国王様、ここは危険なので、移動します」
同じ部屋にいた従者がペルジュ王国国王に声を掛ける。
「うむ、任せる」
国王達が従者の後を追って移動しようとした。
「スウー」
突然2人組の男が国王の居る部屋のドアを開ける。
「おい神崎みろよ、もしかして当たりかも?」
「そうみたいですね」
バグナール帝国に転移した日本人、後藤と神崎だった。
「おれ達にも運が回って来たみたいだな」
「おい、あまり覚えてないんだが、お前はたしかペルジュ王国国王だったよな?」
後藤が国王らしき人物に声を掛けた。
「…」
「おれ達のために死んでくれ」
「ズサッ」
…
「ペルジュ王国国王を打ち取ったぞー」
血に染まった剣を振り上げ、後藤が叫ぶ。
「おれ達はこのことを報告するために一旦城に帰る。後はお前達で適当にやってくれ」
後藤隼人と神崎蓮は馬に乗り、走り去っていった。
……
…
同じ頃、オリオール町の冒険者マティルダが、ペルジュ王国国王の居る村の入り口まで来ていた。
マティルダは、ペルジュ王国国王が逃亡したという噂を聞き、救出しようと奔走していたのである。 その時同じように国王を救出しようと奔走している一団に遭遇し、行動を共にしていた。
「すでにここにも敵の捜索隊が来ているようですね」
マティルダが悔しそうに語る。
「我々が得た情報では、この村に国王が居るはずだ!見つけ出して、なんとしても守るんだ」
元ペルジュ王国国軍兵士のハミルトンが返す。
そのときだった。遠くのほうから声が聞こえてきた。
「ペルジュ王国国王を打ち取ったぞー…」
「くそっ、遅かったか!」
「いや、まだ間に合います。遺体を確保してください」
声のした方に向かって、ハミルトンとマティルダ達が走った。
…
一つの家の周りに、敵兵が群がっていた。
「あれは敵です。一掃します」
マティルダが敵兵の中に飛び込んだ。
乱戦になる。
家の入口付近が手薄になる。
「国王様ー」
マティルダが叫びながら家の中に飛び込む。
部屋の中には、国王家族3人と従者2人の死体があり、3人の敵が死体の検証を行っていた。
マティルダが敵兵を2人、ハミルトンが敵兵を1人倒す。
「国王様、国王様ー」
ハミルトンが国王にしがみ付き叫んでいる。
「すみません、離れていてください」
マティルダがハミルトンを引きはがし、エリクサーを取り出す。
タクマから預かったのは5本。ここに来るまでにも助けられた命あったが、どうしても使うことが出来なかった。命の選択をしてしまったのである。
助けられなかった全ての人に対し謝罪して、エリクサーを国王に飲ませた。
国王の傷が治っていく。
周りを確認する。
ここに居るのは、王妃、王女、護衛2人。残り4つのエリクサーを全て使おうと思った。
王妃、王女、護衛2人にエリクサーを飲ませる。
…
「がはっ。…ここは」
国王が目覚める。ショックによる一時的な記憶の混乱が起きている。
他の4人も次々と目覚める。
「わしらはいったい…確か殺されたはずじゃが?」
「国王様、大丈夫ですか?」
「わしはいい、他の者を見てやってくれ」
…
国王他4人が無事生き返った。
家の外の敵もマティルダと一緒にきた人達により、制圧された。
「そうか、わしは一度死んだのか…」
「私達もですか…」
「マティルダとやら、ありがとう。貴重なエリクサーを使わせて申し訳ない」
「いえ、私ももしもの時にと、ある人物に預けられたのです」
「その人物が《もしも》の時といったのは、わしの《もしも》ではなく、そなたの《もしも》だろう。改めて感謝する」
ポイント付いた。ポイントとかあまり意識していなかったけど、付くと結構うれしいもんですね




