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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
ガイアス編
19/31

18.オリオールの冒険者2


オリオールに来て4か月が経過した。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

A級 《カウカウの討伐と肉の取得》 報酬60万ダリ/1匹 随時

D級 《アメイチゴの実の採取》   報酬 50ダリ/1個 限定1万個

D級 《フキモドキ草の採取》    報酬 50ダリ/1本 限定1千個

D級 《ギンポウ茸の採取》     報酬500ダリ/1個 限定1千個

D級 《用水路の清掃》          6千ダリ/1日 本日限定

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


 ついに味噌ができました。

 今日は味噌ナスです。

「ふんふんふん」

 と肉とナスを炒める。

「よし、出来上がり」

「いっただきまーす。うん美味しい」



「おい、おれらが必死に狩りしているのに、なに横で飯食ってんだ!」

 ドビアスさんが苛立って怒鳴ってる。

「おれD級で、もう今日の依頼終わったんで」


「くそっ、これ以上は支えきれねー、タクマに向かってカウカウを誘導するぞー」

「「「了解」」」

 ドビアスさん達と巨大牛カウカウがこちらになだれ込んでくる。

「なんすか?MPKですか?」

 おれはご飯を片手に持ってカウカウの前に立ちふさがる。

「人んちの食卓に土足で上がり込むんじゃねー

《モーニングエレクションアッパー》」

 カウカウが宙を舞った。


「なんでお前はD級なのにA級の獲物を倒せるんだ!?」

「いや、襲ってきたから返り討ちにしただけです」


「もういい、話すだけ無駄だ。おれ達にもご飯くれ」

「いいけど、お金取りますよ」


彼らはA級の冒険者。

カウカウを一匹倒して体力が限界にきたところに、もう一匹のカウカウが現れて苦戦していた。

そのすぐ近くに、たまたまタクマが薬草採りにきていたのだった。


「お、美味いな。今まで食べたことのない味だよ」

「タクマ君の作るものはみんな美味いな」

「タクマ君、ほんと美味しいわー、材料は肉とナスだけなのね」

 ドビアスさんとクリストフさんとマティルダさんからお褒めの言葉を貰った。

「タクマさん、いいお嫁さんになれますよ」

 レオノール、なんかズレてる。


「タクマ、一匹運んでくれ。手間賃ははずむ」

「まあ、いいですけど」

 おれはリヤカーの屋根の上に、無理矢理カウカウを乗せた。


「タクマ、お前ってほんと便利だよなー。やっぱおれ達のパーティ―入りな」

「リーダーが暑苦しいんで嫌です」

「お前だって、夏場の暑いときにマント羽織って侯爵叩いているじゃないか」


「え、バルサン侯爵を撃退していたのって、タクマさんだったんですか?」

 なぜかレオノールさんが食いついてきた。

「いえ、バルサン侯爵を撃退しているのは《謎の仮面タックン》です」

「私の父親がお礼をしたいって言っていました。今度家にご招待してもよろしいですか?」

「レオノールさんのお父さんがですか?…」


………

……


数日後:

 レオノールさんの家の前に来ている。

 見るからに豪邸だ。

「いらっしゃいませ、タクマさん。お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

「レオノールさんってお金持ちなんですか?」

「私の父親、領主やっているんです」



「お初にお目にかかります。D級冒険者のタクマと申します」

「初めましてタクマ君。私はマロン・グラッセ。君の活躍は聞いているよ。

なんでもバルサン侯爵をハリセンというものでぶっ叩いているとか。実に愉快だ!堅苦しい挨拶は抜きにして、楽にしてくれたまえ」

「いえ、あれは《謎の仮面タックン》です」

(よりによって名前がマロン・グラッセとは!?お土産と名前が被った)

「あ、これ私が作りましたマ…メロンクラワセというお菓子です。よろしかったらお召し上がりください」

「お父様、タクマさんは料理も上手なのよ」

「お菓子の名前が私の名前に似ているな。ありがとう、頂くよ」


 グラッセ伯爵にせがまれ、バルサン侯爵のぶっ叩き事件や、おれがこの世界に来た経緯などを語った。

「そうか、タクマ君は異世界人だったのか!?それで元の世界に帰る手段は見つかりそうなのかね?」

「この国のどこかにある洞窟から、どこかの異世界に行けるかもという情報くらいです」

「実に興味深い。何か私に出来ることがあったら協力しよう」

「タクマさんの持ってきたお菓子をお持ちしました」



「じゃあ、毒見は私がしますね」

 と、おれが申し出る。

「いえ、それには及びません。先ほど私がつまみ食いをしまいた」

 つまみ食いしちゃったんだ!レオノールさん。


「まあ、甘い割には後味がすっきりしていますわ。女性にはたまらない味です」

「男性の私でもいけるぞ。異国のお菓子かね?」

「はい、栗を砂糖とブランデーで煮詰めた簡単なお菓子です」



「君のことについて、レオノールから他にも色々聞いている。よかったら、私からロートレック公爵様にもご協力いただけるようお願いしてみるよ」

「それは助かります。何か献上出来るものがあればいいのですが」

「先ほどのお菓子でも十分喜ばれると思うが」

「それだけでは、仲介してくださるグラッセ伯爵のメンツが立たないようで申し訳ないです。少々お待ちおください」

(えっと、剣とかポージョンとか適当に出してみようか)

「えーと、こんなのしかないですけど、献上品として耐えられるでしょうか?」

「どこから出したんだ!」

「あ、スキルだと思って気にしないでください。右から、ポージョン、剣、ハリセンです」

「この剣、光ってないか?それからこのポージョンも?」

「えー、このポージョンは死んで5分以内に飲ませてあげると生き返ります。なくなった手足も生えてくるみたいです。

この剣は、剣があまり得意じゃない人ほど、スピードと威力がアップします。

このハリセンは、叩かれると半日分の記憶がなくなります」


「生き返るってエリクサーですか?本当に存在したのですか?」

 グラッセ伯爵夫人が驚く。

「この剣、国宝級じゃないか?」

 グラッセ伯爵も驚く。

「このハリセンでバルサン侯爵をぶっ叩いていたんですね」

 レオノールさんがやけにハリセンに食いついてきた。


「このエリクサーはどこで手に入れたのかね!?」

「前の世界の人に貰った物です」

「この剣は?」

「前の世界の人の物置きに眠っていたんでもらってきました」

「これを献上すると私の爵位が上がりそうなんだが…いいのかね、こんな貴重な物を」

「はい、まだいっぱいありますので」

 その結果、エリクサーを化粧箱にいれ、剣は柄と鞘を作り直し、ロートレック公爵に献上して、さらにどちらかを国王に献上してもらえるようにした。

「ところでタクマ君、そのハリセンもまだあるのかね?」

「ええ、あと数本」

「ぜひそれを私に貸して頂けないだろうか?ちょっと叩いてみたいやつが居るんだ」

「差し上げますよ。なんなら仮面とマントもセットで」

「えー、なら私にもお願いします」

 レオノールさんは何に使おうとしているんだろう?


………

……


数日後


「おい貴様、なぜここに居る?侯爵様がおいでなのだぞ」

「「「忘れてください!」」」

「スパン」「スパン」「スパン」


 この日、変態仮面2号ことマックン(マロン)と、変態仮面3号ことレオッチ(レオノール)が誕生したのだった。


………

……


「最近変態仮面が増えたらしいな?」

 ドビアスさんが失礼なことをいってきた。

「失礼な」「失礼です」「「謎の仮面です」」

「もしかして、レオノールも変態仮面やっているのか?

グラッセ伯爵からくは、《くれぐれも娘が変なことをしないよう監視してくれ》っていわれているのに」

「父もやっているので大丈夫です」

「変態仮面2号と3号はグラッセ伯爵とレオノールかー」

 頭を抱えるドビアスさんであった。



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