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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
ガイアス編
17/31

16.ある3つの転移

ある日のファミレス:

 朝のファミリーレストラン。

 2人組の少年と1人の男性が朝食を取っていた。

 2人組の少年は後藤信也と神崎蓮。1人で食事をとっていた男性は笹本春樹

 やがて周りに紫色のモヤが現れ、3人の客を包み込んだ。


………

……


ガイアス世界 バグナール帝国の王都:

 石畳の路に食事が乗ったテーブルと3人の男が現れた。

「おい、そこのてめー、何しやがった、ここは何処だ?」

 神崎が恫喝するように近くの男に話しかけた。

「いや、私にも分からないよ。いったい何が起きたんだ?」

 笹本が応える。


【笹本春樹の視点】

 私の思考は混乱していた。確かファミレスで朝食を取っていたはず。

 ここにそのご飯もテーブルもある。テレビ番組の大規模なドッキリか?

 隣の2人の少年も事態を理解出来ていないらしい。



 警備員のような人達が数人、駆けてきて、私達を取り囲んだ。

「突然現れたというのはお前達か?多くの目撃者がいる」

 警備員らしき人が問いかけてきた。

「私達も何が起きたか分からないのです」

 私が応える。

「おい、王城へ連絡しろ、《異世界人》かも知れんと」

「おれはこの地区の警察隊だ、同行してもらう。捕獲しろ」

 私は、訳も分からず縄で縛られた。



 私達3人は王城らしき場所に連れてこられた。別々の部屋で尋問を受けた。


「私はバグナール帝国の宰相ニコラス。

ここはガイアスという世界だ。たぶんお前が居た世界とは別の世界になる。

言葉が通じることが不思議かね?この世界に存在する精霊の力のおかげじゃよ」


宰相ニコラスが言うには、

・この世界には精霊の力というのが存在する。

・精霊の力を利用すれば魔法も使え、身体能力に向上する。

・精霊に愛されれば愛されるほど強力な魔法が使え、身体能力が向上する。

・なぜか《異世界人》は精霊に愛される。というか興味を持たれる。


 一通り尋問された後、私は広い部屋に移動させられた。一緒にいた2人の少年も同じ部屋に居る。

「おい、おっさん聞いたか?おれ達は異世界に来たみたいだ。おれは後藤隼人でこいつは神崎蓮。同郷のよしみだ、よろしくな」

「私は笹本春樹。よろしく」

 握手しようと手を差し出した瞬間、後藤が魔法を唱える。

「《精霊の力を我に》《ウォーターボール(水球)》」

「ビシャ」

「ヒャハハハ、魔法だよ。おれはこの力を使って、この世界でのし上がっていくんだ」


「戯れはそこまでにしろ!」

 ニコラスが自重を促す。

「我が帝国は今戦力を欲している。お前達の力と魔法は貴重な戦力になる。我が帝国に仕えよ」


「ああ、いいぜ。今はな」

 後藤が応える。

「私も異存はないです」

 現状何もできない。私も、ニコラスの言葉に素直に従うことにした。


………

……



ある日の電車のホーム:

 2人の女の娘が電車のホームで話をしていた。

 2人の名は佐藤明莉と友利紬。

 一緒に待ち合わせをして、買いものに向かう途中だ。

 

「明莉ちゃんの従兄のお兄ちゃん、まだ見つからないの?」

「うん、手がかりさえ見つかっていないの。みんな現代の神隠しだっていっている」

 ホームに電車が入って来たと同時に、2人の女性を紫色のモヤが包み込んだ。


………

……


 2人はガイアス世界ペルジュ王国の王都近くの村に現れ、国によって保護された。


「この世界はガイアスと呼ばれています。私はペルジュ王国の王女フレンダです。以後お見知りおきを」

「私は佐藤明莉です。中学…じゃなくて14歳です」

「私は友利紬です。同じく14歳です」

「あなた方を客人としてお迎えします。異世界のお話をお聞きかせください」


………

……


ある日のバグナール帝国:


 時は半年前に溯る、バグナール帝国のある洞窟に1人の男が入り込んだ。

 男の名はマンゼ。

 洞窟の奥には紫色のモヤが漂っている

 男がその紫色のモヤに触れた瞬間に辺りが光に包まれて、男の姿が消えていった。


………

……


マールス世界のイスカンド帝国:


 町の真ん中に、突然1人の男が現れた。

 男の名はマンゼ。

 その男は聞いたことがない言語で話す。

 この世界はマールス。好戦的は人間が暮らす世界。


 マンゼがガイアス世界からマールス世界に来てから半年後、

 マールス世界のイスカンド帝国帝王アレクシスが異世界人の話を聞きたいと言い出した。

 謁見の間にアレクシス王と丞相が待っていた。


「面を上げよ」

 丞相がマンゼにいう。

「お前は違う世界から来たということだが、間違いないか?」

「はい、私の元居た世界はガイアスと申します。精霊の力が満ちており、その力を借りて魔法を発動します」

 マンゼが応えた。


「もし我が世界の者が、お前の世界に行ったとして、その精霊の力とやらは使えるのか?」

「はい、過去に何度か異世界人が転移してきたという噂があります。

彼らはみな、元々その世界に居る人間よりも精霊に愛され、我々よりも魔法の威力が優っておりました」


 アレクシス王が興味深そうに聞いてきた。

「丞相、この者がどうやってこの世界に来たのか、またこの者の世界にどうすれば行けるのか、調査は済んでいるのか?」

「はい、この者がどうやってこの世界に来たかは、調査済みです。また、この者の世界にどうすれば行けるのかは、現在その鍵となる洞窟を調査中です。

実際に転移出来るのかどうかは、やってみるしかありません」

 丞相が恭しく応える。


 洞窟からガイアスに転移出来るのか、実際にやってみることになった。

 転移を試みるのは、ガイアスから来た男マンゼと、イスカンド帝国の軍人が1人。

 2人はお互いの手首をつかみ、紫色のモヤに入っていった。


………

……


【マンゼ視点】

 周りを確認する。目の前に見覚えのある山が聳え立っていた。

 ガイアスに帰って来られたのか!?

 横を見ると、マールスの世界から一緒についてきた男が興味深げに周りを眺めていた。

「ここはガイアスか?」

「ええ、間違いなくガイアスです」

「おお、何やら力が湧いてくるようだ。《精霊の力を我に》《ヘルファイア(業火)》」

 彼は事前に教えてもらっていた魔法を発動する。少し離れたところで大きな火柱が立ち上った。




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