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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
アトラス編
13/31

13.ゲルムズ帝国戦

 

 今、ラフエンテ王国は外交的に厳しい状況下にある。隣国のゲルムズ帝国がたびたび領土を侵してくるのだ。

 元々ゲルムズ帝国は世界統一を目指し、力を蓄えてきた。

 去年そのゲルムズ帝国の帝王が亡くなり次代の英雄と呼ばれる第一王子のイーグルが帝王の座についた。

 新たに四天王と呼ばれる4人の強者を配し、国内の士気を鼓舞している。

 四天王の名は、

  爆炎グレン

  雷天サンデル

  神速アルバロ

  殲滅クラース


………

……


ラフエンテ王国 フロレス領 第一要塞:


 フロレス領は、この地が常に戦場になることを想定しているため、住人全て軍関係の人間だ。

 領内の収益はなく、国が出す軍事費で全てを賄っている。

 領内にはアダマンタイトの混じった土で作られた直径1キロメートルくらいの壁に囲まれた要塞が3つ存在し、ゲルムズ帝国に近いほうから第一要塞、第二要塞、第三要塞となっている。


 ゲルムズ帝国軍が第一要塞に攻めてきた。

 雷天サンデルが、20人の兵士を伴い要塞の城壁に近づいてきた。城壁の上に居るラフエンテ王国の兵士に雷魔法を放つ。

 雷魔法はラフエンテ王国軍の防御魔法を突破し、ラフエンテ王国の兵士が次々に倒れていく。


 雷天サンデルの側に居た兵士が、防御魔法で防御壁を張りながら城壁に近づき、城門を壊していく。

 ある程度城門が壊れたところで、神速アルバロ率いる70人の兵士が城内に攻め入ってきた。


 その瞬間、地面が大きく割れて、兵士達が地面に吸い込まれた。

 地面には予め大きな穴が掘ってあり、中には大量の先の尖った杭が配置されていた。

 ラフエンテ王国軍が、穴の表面を土魔法の土で覆い、ゲルムズ帝国の兵士がなだれ込むと同時にその土を破壊したのである。

 一度しか使えそうもない罠であるが、見事に引っかかってくれた。

 罠を回避した神速アルバロが悔しそうに兵の撤退を指示する。



 翌日も同じような展開となったが、神速アルバロが、罠の対応策として土魔法使いを連れてきた。魔法で地面を固めたのである。

 足元の憂いがなくなった神速アルバロ率いる兵士が、要塞内を奥まで攻め入って来た。

ラフエンテ王国軍も応戦したが耐えきれず、要塞を放棄して、第二要塞まで撤退することとなった。


………

……


ラフエンテ王国 フロレス領 第二要塞:

 タクマ達が到着したときには、すでに第一要塞は、敵の手に落ちていた。


 ルフィナが父親のロジャー・フロレス辺境伯と会うために、指令室を訪れた。

「お父様、ゲルムズ帝国の四天王に対抗出来る人物を連れて参りました。ガラパゴ共和国のトウゲン村の出身で、タクマ様と申します」

「ルフィナ、それは本当か!?トウゲン村が動いてくれたのか?」

「トウゲン村というところが、動くかどうかは知りませんが、タクマは確かに私達に協力してくれるといってくれました」


 おれはルフィナの父親との面会を済ませ、現在の状況と今後の展開について聞いてみた。


「では、第一要塞を奪回しますか?」

 おれが提案してみた。

「いえ、向こうは籠城戦を望んではいないようです。

 こちらが城壁近くに兵を展開すると、向こうも城壁から外に出て兵を展開してきます。


………

……


3日後:

 第一要塞の城塞前にラフエンテ王国軍2万とゲルムズ帝国軍3万が向かい合った。


 ラフエンテ王国軍からゲルムズ帝国軍までの距離およそ200メートル。

 ゲルムズ帝国軍に向かって矢と飛系魔法が放たれる。

 しかし、そのほとんどが盾で防がれる。


 爆炎のグレンが杖を振る。

「《我が意に応えよ》《フレア(爆炎)》」

「《我が意に応えよ》《フレア(爆炎)》」

「《我が意に応えよ》《フレア(爆炎)》」

 …


 一発放たれるごとに直径30メートルくらいの爆炎が上がり、ラフエンテ王国軍の兵士が次々と倒れていく。

 膨大な魔力量があるからこそ可能な高燃費魔法の乱れ打ちだ。

 その中で、ひとりルフィナが爆炎を物ともせずに敵陣に向かっていく。


「《我が意に応えよ》《ファイアボール(火球)》」

 ルフィナに目がけ、グレンが火の玉を飛ばしてきた。

 ルフィナが剣を振るって火の玉を斬り裂いた。


 ルフィナとグレンの距離およそ距離50メートル。

 グレンの周りにいた護衛らしき兵士達が、一斉にルフィナに向かってくる。

 ルフィナの姿がブレる。手に持った剣が、向かってきた敵すべてを瞬殺する。


 ルフィナとグレンの距離およそ10メートル

「《我が意に応えよ》《スリップ(摩擦低減)》」

 グレンがスリップを仕かける。

 が、その前にルフィナの体がブレて、次の瞬間グレンの目の前に現れた。

インパクト(衝撃)

 グレンが咄嗟に衝撃の近接魔法を放った。

 ルフィナがその衝撃をもろに受ける。が、

「効きません」

 ルフィナの剣が一閃、グレンの上半身が斜めにずり落ちた。


……


 ルフィナの少し後ろを歩いていたおれはルフィナに駆け寄る。

「ルフィナ、服が少し燃え落ちてるよ。爆炎魔法食らい過ぎじゃない」

「あ、えー、着替えてくるね」

 ルフィナは胸を押さえ、味方陣地のほうに駆けて行った。


 敵味方入り乱れての乱戦が始まった。

 敵陣営に深く入り込んだ所で、味方の兵士達が吹っ飛んだ。


 頭髪が無いマッチョ男が歩み寄ってきた。

 剣を振り下ろしてきた。魔剣スパルタンで受ける。

「我はゲルムズ帝国四天王、殲滅クラース。よくぞ我が剣を受け止めた。だがもういい、死ね」

 クラースが剣を振るう。猛攻が続く。だがおれはそのすべてを受け止めて見せた。

「馬鹿な、おれの剣が全て受け止められてる!」

「そんな自慢するような剣でもないと思うが」

 そういって向かってきた剣を弾き返し、そのまま袈裟斬りに切り下ろした。


 攻撃の要2人を失ったゲルムズ帝国軍が、第一要塞に撤退していった。


………

……


ゲルムズ帝国 ラフエンテ王国に隣接する要塞 指令室:


「国王様、戦場より使いが来ました。ご報告いたします」

「うむ、述べよ」

 イーグル帝王が頷く。

「爆炎グレン、殲滅クラース両名が打ち取られ、我が軍は敗走したとのことです」

「馬鹿な…グレンやクラースに勝てる者など存在するはずがない。敵はどんな手を使った?」

「爆炎グレンは、爆炎攻撃を掻い潜ってきた女の剣士に切り伏せられたとのことです。

殲滅クラースは、向かってきた男の剣士と斬り合い、同じく切り伏せられたとのことです」


「国王様、ラフエンテ王国が停戦を申し出てきています」

「このタイミングでか?

爆炎グレンと殲滅クラースを倒したと思い、いい気になりおって!?

会談の場を設けよ。会談の条件として2人を倒した者を必ず同行させるよう伝えておけ。2人を倒した者は、その場で殺してしまうのだ。

雷天サンデルと神速アルバロに、一緒に会談の場に出るよう伝えておけ」


………

……


ゲルムズ帝国特設会談所:

 おれはラフエンテ王国の使者と一緒に、ゲルムズ帝国軍の用意した会談所に向かう。

 ラフエンテ王国の使者は、ロジャー・フロレス辺境伯とその護衛が2人。会談に呼ばれているのがおれとルフィナ。総勢5人だ。

 ゲルムズ帝国軍の用意したテントの中で、椅子に座ってへゲルムズ帝国イーグル王を待っていた。

 そこへゲルムズ帝国イーグル王が、従者5人を連れて、荒々しく部屋に入ってきた。

 おれ達はロジャー・フロレス辺境伯に従い、椅子から立ち上がって軽く会釈をする。

「誰が面を上げていいといった。控えろ」

 イーグル王が吠える。

「私はラフエンテ王国フロレス領の領主、ロジャー・ラフエンテです。ラフエンテ王国に全権を委託されて参りました。我が国はゲルムズ帝国に負けたわけではありません。対等な相手としてお話しております」

「たった一回の局所戦に勝ったからといっていい気になるな。我が帝国にはまだまだ膨大な戦力がある。

おい、アルバロ、こいつに四天王の力を見せてやれ」

「かしこまりました。おれは神速のアルバロ。殲滅クラースを殺った黒髪の男とはお前か?」


 おれの前まで歩いてきて剣を一閃、おれの前にあった机が真っ二つになった。威嚇のつもりのようだ。

「動けないのか、ならそのまま動かずにいろ」

 今度はおれの右腕を狙ってきた。フェイントなのかなぶり殺しを狙っているのかわからない。

 面倒なので居合切りで一閃、アルバロが降り下す両腕を斜め下から斬り払う。両腕が肘から切り離れ血が噴き出した。

(直刀で居合切りしちゃったよ。しかも逆手持ちで)

 なぜかルフィナが喜んでいる。

『マスター、実力差があるとき以外は、そのような変な持ち方は止めてください』

 イーグル王が呆然としている。

「な、何をしておる、こ、こ奴を斬れー」イーグル王が叫ぶ。

 おれはゆっくり剣を抜き「制圧します」といい、イーグル王以外の剣を握った人間の腕をすべて斬り飛ばした。

 呆然自失となっているイーグル王に話しかける。

「さて、停戦の話し合いを初めしょう」

 ゲルムズ帝国の無条件降伏となった。


停戦条約:

 1.ゲルムズ帝国軍は速やかにラフエンテ王国から撤退すること。

 2.向こう10年間、ラフエンテ王国とゲルムズ帝国の一切の戦闘を禁止すること。

 3.イーグル王は退位し、子に王位を譲り、今後一切国の運営には関わらないこと。

 4.ゲルムズ帝国はラフエンテ王国に対し、賠償金としてアトラス金貨百万枚(約2兆円)を向こう10年かけて支払うこと。

 5.ゲルムズ帝国はペルジュ王国に隣接する2つの領地を、ラフエンテ王国に譲渡すること。

 6、ゲルムズ帝国は少なくとも王族の一人を人質として、ラフエンテ王国に送ること。


 が、事はそれだけでは終わらなかった。


 会見場を後にし、帰ろうと歩みを進めたところ、おれ達の後ろにいた雷天サンデルが、おれ達の前に回り込んだ。

「我々はまだ負けていない」

「《サンダー()》」

 1本の稲妻がおれ達を襲う。おれは咄嗟に結界を展開して防御する。


「さっそく条約破りとは、それがゲルムズ帝国の総意と思っていいのですか?」

 おれはゲルムズ帝国側のほうを見て、威嚇する。

「ち、違う、ゲルムズ帝国の総意は停戦にある」

 とイーグル王が慌てふためく。


「では、一部の兵の暴走ということで、排除させていただきます」

「《ギガサンダー()》」

 サンデルに向かい100本の稲妻が落ちていく。サンデルの体は消し飛んだ。

「では、くれぐれも停戦条約を破ることがないようにお願いします」



 こうして、ラフエンテ王国とゲルムズ帝国の戦いは、ラフエンテ王国の勝利で終わった。




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