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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
アトラス編
11/31

11.弁明


「被告人、弁明を」


「では、私冒険者タクマが代表で弁明します。

一昨日私達4人が王都に向かっていたところ、突然20人の盗賊に襲われました。

私達は金品と彼女達3人の身柄を要求されたので、これを断り戦闘となりました。

そこで私が盗賊19人を倒して装備を奪い、倒した盗賊を縄で束縛して木に繋げました。

その後、4人で残った盗賊を引き連れて盗賊のアジトに向かい、アジトに残っていた盗賊を縛り、盗賊達が隠していた装備品の回収を行いました。

回収を終えた私達が、また先に盗賊と出会った場所まで戻ったところ、街道警備隊が縛っていた盗賊を取り調べているところでした。

その際、盗賊の身柄及び回収品をそこにいる街道警備隊に預け、翌日報酬と預けた物を頂ける約束をしました。

そして、昨日、街道警備隊に伺って、報酬と回収品の譲受を願い出た次第です」


「タクマとやら、街道警備隊は、おまえ達は盗賊の一味だと言っている。どうなのだ?」

 ジャスパーが侮蔑したような目をしながらおれに聞いてきた。

「いえ、私達はまったくの無関係です」

「無関係なはずがない。そもそも20人からいる盗賊を一人で全部倒すなど、どう考えても虚言です。

また彼らが王都に向かっていたといっていますが、実は盗賊の仲間で、隠れて様子を見ていたに違いありません」

 街道警備隊のズルタンが捲し立てる。


「裁判長!」

「なんですか?サットン公爵様」

「その者達は、何の罪もない多くの人を殺している。殺された人の家族のことを思うと憎んでも憎み切れない。4人に極刑を望む。また盗賊を捕まえた街道警備隊、特に部隊長のズルダンにはその功績を称え、私の権限で、王国騎士団入団の許可を与えようと考えている」

「サットン公爵様、ズルダンの王国騎士団入団については後ほどお話しましょう。

被告人、弁明することはあるか?」


「私はガラパゴ共和国のコンタクト村の冒険者ギルドで王都へ荷物を運ぶ依頼を受けました。荷物はベヒーモスの角です。たぶん私が狩ったベヒーモスの角かと」


「今なんと?」

 公爵の隣の老人が驚いて声をあげた。

「賢者モーリス様、いったい何を!」

 ジャスパーが老人の発した言葉に反応する。

「ジャスパーよ、この場はわしが仕切る。よいな」

 

 モーリスなる老人がこの場を仕切りだした。

「タクマ殿と申されたか、今なんとおっしゃいました?」

「コンタクト村から王都までベヒーモスの角を運びました。と」

「誰か、魔道具を使ってすぐにコンタクト村へ確認を取ってくれ。ベヒーモスの角の、搬送の依頼があったかどうかと、誰が討伐したか確認するのじゃ」


……


「確認取れました。トウゲン村のタクマなる人物に搬送の依頼を出したそうです。討伐したのもタクマだろうと」


「…タクマ殿と申されたか。何か盗賊を討伐した証拠はございますか?」

「そうですね。盗賊を縛るときにちょっと特殊な縛り方をしました」

「誰かその縛り方を見た者はいるか?いるならすぐに呼んできてくれ」


……


 牢番が呼ばれてきた。


「ズルダンに聞く。盗賊は誰が縛ったのだ?」

「はい…ここにいるドルフが…」

「ではドルフよ、隣に居る街道警備隊員を、今ここで同じように縛ってみよ」

 街道警備隊のドルフが一瞬きょどった様子を見せ、諦めたような顔をしながら隣の街道警備隊員の手を後ろでに縛った。

「牢番に聞く。縛り方は同じか?」

「いえ、全然違います。駄目です。愛が感じられません」


「ではタクマ殿。盗賊を捕えたときと同じように隣の女性を縛って頂けますか?」

「ルフィナ、縛るけどいい?」

「お待ちくださいタクマさん、縛るなら私を」

 ノエルが進み出てきた。

「そ、そうか…」

 若干の背徳感を感じながらノエルを背面観音で縛った。ノエルが潤んだ目でおれを見つめている。

 痛かったかな?


 牢番が縛り方を確認する。

「おー、まさにこの縛り方です。慈悲を感じる!」

「そうか、ではそこにいる街道警備隊を全員牢にぶち込んでおけ。今回の茶番に関わった者もすべてだ!

なお、この裁判については他言無用とする。口外した場合は軽くとも国外追放と思ってくれ」

 街道警備隊員達が、呆然とした表情で引っ立てられて行った。


「あの、あなたは誰ですか?」

「申し遅れました。私はこのノーマン帝国の賢者と呼ばれているモーリスです。以後お見知りおきを。タクマ殿」

「そうですか。あなたのおかげで無罪を勝ち取ることができました。ありがとうございます」

「いえ、元はといえば我が国の街道警備隊がしでかした不始末。迷惑をおかけして申し訳ありません」


 その後、モーリスが隣のサットン公爵に何かを耳打ちしていた。

 サットン公爵の顔色が見る見るうちに青くなる。


 おれは隣のノエルを見た。

「ごめんノルエ、今縄解いてあげるよ」

「いえ、もう少しこのままで。ハァハァ」

「いや、解くね…」

 さあ、帰ろうか。


 帰ろうとしたところ、サットン公爵と目が合った。

 サットン公爵が怯えたように目を反らし、頭を下げる。

 こちらも軽く会釈を返す。


 王国騎士団のジャスパーが賢者モーリスに駆け寄り、何やら話をしている。

 サットン公爵と同じように、怯えるような顔をした後、おれに頭を下げた。

 こちらも軽く会釈を返す。


………

……


街道警備隊事務所:

 翌日、街道警備隊の事務所に報酬と回収品を受け取りに行った。

「盗賊征伐の報酬をいただきに来ました」

「お待ちしておりました」

 今日は丁寧に出迎えてくれた。

「こちらが報酬と回収品と回収品のリスト。それからご迷惑料です。ご確認ください」

 討伐報酬が2百万デナ(約2百万円)。

 迷惑料が1億デナ(約1億円)。

 一機にお金持ちになりました。

「一旦宿屋に帰って、みんなで回収品を確認してみよう」


………

……


宿屋:

 これが回収品のリストだ。

  闘気魔力補助効果(大)付

   片手剣1本(宝剣っぽい)

  闘気魔力補助効果(中)付

   武器:12本

  闘気魔力補助効果(小)付

   武器:18本

   防具:18個

   装飾品:12個

  豪華装飾

   装飾品:5個

  その他:

   武器:11本

   防具:30個

  鞭:1本(打たれると、すごい音はするが痛みはない。材料:トレントの蔓)

  お金:3百万デナ(約3百万円)


 闘気魔力補助効果が付いている武器が結構あった。

 闘気魔力補助効果とは、闘気や魔力を練りやすくするのと、使いやすくする効果のことらしい。

 大、中、小というのは、謂わば強さの上限で、その上限まで闘気や魔力を使えるようにしてくれる。

 弱いものがいきなり効果の大きいものを扱うと、身体と精神に大きなダメージを負う。


「では武器を分けます。あまり大した物ないけど、欲しいものある?」

「いくらなんでも、貰えないよタクマ」

「おれに必要ないものだから、遠慮は要らないよ」

「でもー」

 3人で何やら相談を始めた。

 ……

 …

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね。私はみんなの後でいいわ、セルジュはどれがいい?」

「じゃあお言葉に甘えて。闘気魔力補助効果(中)の細身の片手剣がいいわ、ノエルは?」

「私は闘気魔力補助効果(中)の杖がいいです」

「じゃあ私ね。闘気魔力補助効果(中)の片手剣がいいかな」

 それぞれ好きな武器を選んだ。


「次は装備だね。装備はどうする?」

 と、みんなに聞いてみる。

「う~ん、全部男物だしねー、それに臭そう。全部売っちゃう?」

 ルフィナが顔を顰めながら提案する。

 結局、闘気魔力補助効果(小)のあるやつは、リメイクして使うことにした。

 

「装飾品はみんなで分けて」

 と、ちょっと太っ腹なところを見せる。

「「「ありがとう」」」

 3人が寄ってきて、おれを抱きしめてくれた。


「鞭だけど、使い道ないから売ちゃうよ」

「タクマさんが大事に持っていてください」

「…売ちゃうね、ノエル」


 早速使わない武器と装備を売ってきた。

 なかなかいい値がついて、しめて5百万デナ(約5百万円)。


 鞭ですが百万デナするそうです。

 安そうなのに高いって何んか希少価値を感じて、売るのをやめました。


……


「みんなー、迷惑料、回収金、回収品の売却金と全部合わせて1億1千万デナ(約1億1千万円)になったよ!1人当たり2千7百5十万デナね。はい、どうぞ」

「「「受け取れないよー」」」

「もともとこのお金の多くを占めている迷惑料1億デナ(約1億円)は、おれ達みんなが被った迷惑の迷惑料だし、受け取って」

 なんとかみんなにお金を受け取らせた。

 現金持っていると危ないから、冒険者ギルドにあずけてきた。




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