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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
アトラス編
10/31

10.裁判

 

 盗賊のアジトから、盗賊を縛り付けた場所まで戻ったところ、10人ほどの街道警備隊が、おれ達が縛り付けておいた盗賊に尋問を行っていた。


 おれ達が近づく。

「「「なんだ、お前らは?」」」

 街道警備隊が警戒心を露にして怒鳴ってきた。

「私はそこの盗賊を捕えた者です。冒険者をやっています。残りの盗賊4人も連れてきました」

 おれが応えた。

「何、ほんとうか?」

 街道警備隊のリーダーらしき人が聞き返してきた。

「ええ、この4人も引き渡しますので」

 おれは持っていた、盗賊を縛った手綱を街道警備隊に差し出した。

「…」

 少しの沈黙の後、リーダーらしき人が手綱を引き取る。


「うむ、協力感謝する。我々は街道警備隊だ!私は部隊長のズルダン。で、お前らはいったい何者なんだ?」

「私は冒険者のタクマです。こちらは盗賊退治に協力してくれた冒険者達です」

「たった4人で、これだけの数を倒したのか?」

 ズルダンが少し怪訝そうな顔をした。

「はい、そうです」

 街道警備隊員らが、なにやら小声で相談し始める。



「あー、報酬は明日渡す。街道警備隊の事務所まで取りに来い。それから回収した物も報告する必要があるので、一旦我々が預かるからここに出すように。預かった物は明日お前たちに引き渡す」

 部隊長のズルダンがそう言ってきた。

「ルフィナ、どうする?」

「任せるわ、討伐はあなた一人で行ったようなものだもん」

(おれはこの世界の事情に疎いからなー、報酬やお宝だってそんな欲しいわけでもないんだが)

「報酬は王都で受け取れるのですね?」

 おれはズルダンに聞いてみる。

「ああ、明日、王都の街道警備隊の事務所で渡す」

「わかりました。お渡しします」

 そう言い、回収した装備、武器、お金をすべて街道警備隊に渡した。

 街道警備隊の聞き取り調査が一通り終わったあと、おれ達はサイクロン号に乗って王都を目指す。


……


「ねえ、タクマの強さって尋常じゃないわよね」

 道すがら、ルフィナが聞いてきた。

「死ぬほど鍛えられたから」

 そう応えながら、魔剣スパルタンに鍛えられた日々を思い出していた。


………

……


 ノーマン帝国の王都の城壁の門が見えた。ギルドカードを見せて城壁内に入る。

 依頼されていた荷物を届けに、冒険者ギルドに向かった。


冒険者ギルド:

 カウンターで依頼の荷物を渡す。

「コネクト村から、依頼の荷物を運んできました」

「はい、ご苦労様です。少々お待ちください」

 受付嬢がそう言って、荷物を持って奥の部屋へ入っていった。

 


「確かに依頼の荷物です。こちらが報酬になります。お確かめください」

「はい、間違いないです。ありがとうございます」


 荷物を届け終わったので宿屋を探しに向かった。

 3人部屋と1人部屋があった。今日はドキドキイベントなし。


………

……


翌朝。

 朝食後、みんなで街道警備隊の事務所に向かう。

 

街道警備隊事務所:

「何か用か?」

 面倒くさそうに受付が聞いてきた。

「昨日の盗賊征伐の報酬を頂きにきました」

 おれが事務所に来た理由を語る。

「昨日の盗賊征伐の報酬?昨日の盗賊征伐は我が街道警備隊が行ったもので、外部の協力者は居ないと聞いている」

 話がおかしい。

「いや、おれ達4人で盗賊を捕えたのですが」

「お前達4人だけでか?冗談をいいにきたのか?アハハハ」

「ねえタクマ、あなたの手柄を街道警備隊が横取りしたんじゃない?」

 ルフィナが疑念を口にする。


 おれ達の後ろから、昨日会った街道警備隊のズルダンがこちらに向かって歩いてきた。

「横取りしたとは人聞きが悪い。報酬欲しさにいいがかりか?たしか昨日の征伐のとき遠くから見ていたやつらだな。自分達の手柄にして報酬でも貰うつもりか?」

「何それ、ふざけないでよ!私達が預けた回収品返してよ。お宝級の剣もあったはずよ」

 ルフィナが怒り出した。

(この展開はまずいなー)

「えっと、ルフィナ、今は黙ってて」

 とおれはフィナを黙らせる。

「また改めて話をお伺いにきますので、今日はこのまま失礼します」

 おれ達はそのまま足早に街道警備隊の事務所を後にした。


【警備隊部隊長ズルタン視点】

 回収した宝剣は、王国騎士団への紹介状を書いてもらう見返りに、サットン公爵様に献上した。

 今回の盗賊団の討伐の実績を引っ提げて、王国騎士団に入団させてもらう手はずになっている。

 このことは誰にも知られてはならない。やつらを盗賊の仲間として引っ立てて、口封じのため死んでもらおう。


………

……


【タクマ視点】

宿屋:

 宿屋に帰り愚痴と作戦会議を行う。

「あの街道警備隊、ほんと頭にくる」

 とルフィナが怒りを露わにする。

「訴え出るにしても、どこに訴えていいかも分からないし、そもそも棚ボタみたいなもんだからなー。諦めてもいいんじゃない?」

「王国騎士団に訴えるのよ。きっと公正に裁いてくれるわ」


「ドンドン」

『マスター、敵意を持った誰かきました』

 魔剣スパルタンが警告を発する。

「冒険者タクマは居るか?居るならでてきなさい」

 警戒しながらドアを開けると、5人の街道警備隊が飛び込んできた。

「我々は街道警備隊だ。タクマとその仲間を盗賊征伐の虚偽の伺いで逮捕する」

 みんなに諦めて従うよう促した。

「お前達の裁判は明日行われる。自分達の行いをしっかり反省しておけ」

 街道警備隊の1人がそう言い放った。


……


留置所:

 牢の扉がゆっくり閉じられた。

「どうしよう?おれ1人なら簡単に抜け出せるんだけどなー。いっそのこと、この国滅ぼしちゃおうか!」

『マスター、それはたいへん面白いと思います』

 魔剣スパルタンが賛同する。


………

……


翌日 裁判所:


 裁判が始まった。

 裁判官席は王国騎士団の3人。

 被告席はおれとルフィナ、セルジュ、ノエル。

 原告席は例の街道警備隊が3人。部隊長のズルダンが居る。他の2人も見覚えがある。

 傍聴席には気品のある紳士が1人。とその隣に鋭い目の老人が1人座っていた。気品のある紳士の関係者なのだろうか?


「これより裁判を行う。私は今日の裁判の裁判長を務める王国騎士団のジャスパーだ。街道警備隊のズルダン、容疑者の罪状を述べよ」


「街道警備隊のズルダンです。

ここに居る冒険者タクマ、他3名は、一昨日盗賊が征伐された際、ただ見ていただけなのにも関わらず、昨日街道警備隊の事務所に押しかけて、自分達が討伐したのだからその報酬と回収した装備、武器及び金を返せと言いがかりをつけて、街道警備隊から金品を騙し取ろうとしました。これは、詐欺罪及び脅迫罪にあたります」



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