sixty seventh story 嫌だ。
ガチャっ
聞きなれたはずのドアを開ける音が、胸に突き刺さった。
深く、深く。
「・・・・神田?」
「龍崎・・。」
声がでない。
苦しいよ。
やっぱ、見なかったことにして、帰った方が良かったかもしれない・・。
「良かったね。大切な人、できたんだ・・・。」
「っ!お前、聞いてたのか?!」
見る見る赤くなっていく顔。
可愛いなぁ・・・。
その顔を見ていると、目頭が熱くなってた。
それは、私のだったのに。
その顔を向けるのは私だけだったのに・・・・。
「・・・聞いてたんだったら、分かってるだろうケド・・・。」
恥ずかしそうに目を伏せながら何かを言おうとする。
「嫌だ。聞きたくない。」
でも、私は耳をふさいで叫んだ。
傍からみれば、ただのイカレタ人だろう。
それでも、あのゆめのように、『だから、あまり俺に関わらないでくれ。』って言われるのはいやだった。
今聞いてしまえば、何もかもが夢のとうりになってしまいそうだった。
「じゃっ、今は、そういうことだから!お邪魔しました。」
言い終わるのが早いか、ドアから飛び出るのが早いか・・・わからなかった。
そのまま、鞄を取りにいって学校をでた。
泣きそうだった。
これを、失恋って言うのかな?
家に帰るわけでもなく、私は喫茶ってんでドーナッツを二個食べていた。
ちょうどそのとき、優香からメールが届いた。
≪どうしたの?今日、一緒にかえろって、言ったのにぃ・・。≫
そのメールを読み終えて、やっと約束したことを思い出した。
≪ごめん、ちょっと、急用を思い出して・・・。≫
優香に無駄な心配をかけたくなくて、あまり言いたくなくて、私はそう、返信した。
一時間かけて、ようやくにこのドーナッツを食べ終わったが、外はまだ明るかった。
家に帰るわけでもなく、そこらへんをぶらぶらしていると、嫌でもあの光景がフラッシュバックされる。
それが嫌でいやで、私はなるべく周りの人たちの感情を読み取ろうとする。
いわゆる【ぴーぷる うぉっちんぐ】って、奴だ。
それでも、あの光景は消えなくて、私はいつの間にか来ていた龍崎と初めて会ったあの花壇に腰を下ろした。
そして、ココであったときから今までの、私と龍崎にあったことを思い返してみた。
でも、思い返せば、返すほど、あの光景は目に焼きついて、ますますハッキリしてくる。
いやだ。
自分の気持ちに素直になれなくてこんな事になってしまった事に。
あのとき、行かないでって、言えなかった事に。
私の全てがいやになった。
生まれ変われるもんなら、変わりたい。
だいぶ暗くなってきた空は、ゆっくりを私を包んでいくようだった。
長らく、更新できなくてすみません・・・。
パソコンがウイルスに侵されてしまってて・・・。
最近、2日に一度、インターネットが出来なくなるんですよ・・・。
なぜでしょう?
知ってる方がいましたら、教えてくださればありがたいです。
読んでいただき、ありがとうございました。