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悪役令息設定から逃れられない僕のトゥルーエンド  作者: kozzy


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177/178

178 最終話

レグの二度目の外交は僕の心配をよそに何事も無く無事帰国となり、あっという間に季節は四月。僕の誕生日。そして二人の結婚式。



それにしても…、まさか僕の結婚式を王宮のお庭でやることになるなんて。

レグルスだけは絶対ないって思ってたのに…人生って分からない。


「お兄様、良いお天気で良かったですね。ほら、初めてここにきたお茶会。覚えてますか?」


「覚えてるよ。レグに追いかけられて大変だった。おかげで生垣しか見れなかったもん」


「ふふ。いきなり走って逃げだすから何事かと思いましたよ?」

「だってあれはレグが」


「テオドールはいつもだってばかりだね」

「だって…」

「そうだテオ。喉が渇いてしまってね。お水を飲ませてくれる?君のウォーターで」

「…へんなの。『ウォーター』はいどうぞ」

「相変わらず煽情的だ」

「煽情的…。そうかな?」


あの頃は戦場的って思ってたっけ。レグのこと、僕を断罪する怖い人って思ってたから…

でも今はもうその言葉だって分かってる。もう意味を間違えたりしない。


僕は子供だったから…

たくさんの分岐、たくさんの選択、きっといっぱい間違えたし、遠回りもした。

たてたフラグもあれば、折ったフラグもある。気付かなかったフラグも多分ある。


それでもどのルートもどこかのエンドにつながっていて、そのエンドはいつだって、自分次第でどんな風にでも変わっていくんだ。


僕は断罪を回避して幸せなエンドを迎えるために頑張ってきた。それはいつだって自分のためだったけど…


だけどそれには、アリエスが幸せにならないと僕も幸せになれなくて…

それだけじゃない。僕に居場所をくれた大好きなジローやおじいちゃん、孤児の子たちにも楽しく暮らしてもらいたい、そんなこと考えてたら…全部幸運に形を変えて返ってきた!


悪役令息に生まれ変わってあれほど絶望的な気分だったのに…

でもあきらめないでもがいたら悪役でもちゃんと最後は幸せになれた!あんなにもみんなから悪い子呼ばわりされたのに!


悪役でもハッピーエンドになれるんだ?


だから僕はこれからだって、ワガママ三昧やりたい放題の、悪役令息…ううん、悪役公爵夫人になっちゃおうかな。レグの隣で。


それでもレグルスはきっと許してくれる。いつもの少しも動じない涼しい顔で「悪い子だね」って、そう笑ってくれるに決まってる。



僕とレグルスを祝福する、カリヨンベルが高らかに鳴り響く。

あれ?断罪ルートは外れたはずなのに、やっぱり僕は捕らわれたまま。おかしいな、いつの間にレグルスに捕まっちゃったんだろう。





「ほらパラクレートス、テオドール兄さまにおめでとうと手を振りなさい。お前の叔父はこの国の宝玉なのだよ。誇らしいだろう?」

「まぁ旦那様。生まれてまだ半年の赤子にそんなことを仰って。少しはわたくしにもパットを抱かせてくださいませ。でもそうね。パット、あれがテオドール兄さまよ。お綺麗でしょう?」



「アルタイル、そんな風にあまり見惚れていると妬いちゃいますよ」

「アリーお前が?よく言うな。俺を放ってテオの世話ばかりしているのはお前じゃないか。俺とどっちが大切なんだ」

「聞きたいですか?」

「いや…」



「良いお式じゃないか。そう思うだろう?リヒャルト」

「すごく素敵…、あのタウルス様、ぼ、僕もああいう…」

「ならぬ!リヒャルト、ならぬぞ!」


「まぁまぁヴェーバー卿…。浮いた話一つないうちのルトガーを思えば…相手がいるだけどれほどましか!」

「何の話でしょう父様」




「ジロー、新居に馬車を贈ったんだって?とびきり上等にしつらえた馬車を」

「デルフィヌス…。ああ、人力車だけってわけにはいかないだろうし、それに」

「なんだ。なにかあるのか?」


「いや、アリエスからその昔テオから馬車を贈られたって話を聞いてたんでな。…人の為にしたことは自分に返る。分かりやすいだろ?」


「そうだな。バスティト様も仰った。あれほど嬉しそうにいそいそと、何の祈願も見返りも求めず貢ぎ物を持ってくるのはテオドールぐらいだと。テオがバスティト様に願い事を口にしたのは後にも先にもただ一度きりだと」

「…ただ一度きりか…。ん?顔をうずめるのは見返りじゃないのか」



ジローとデルフィ、なに大笑いしてるんだろう?


でもほら、みんなが笑って祝福してくれる。

僕とレグルスのほうを見て手を振ってくれる。


「レグ、これからもよろしくね。」

「ふふ、君が側にいるだけで刺激には事欠かなさそうだ。」




僕とレグルス。ゲームやアニメで見るような、素敵な毎日ばかりじゃなかったけど…、本物の恋愛ってこんなものなのかな?


回り道ばかりしてたバカな僕のようやく見つけたたったひとつのルート。そうしてたどり着いた、これがたったひとつの、僕のトゥルーエンド。


だけど僕たちの毎日はここからもまだまだ続く。終わらない。



今から始まるのは…砂糖を吐くぐらい甘い甘い、僕とレグルス、永遠のトゥルーストーリー。




ーendー




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