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怪物  作者: 水野 すい
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99/100

目撃

「夏輝くーんっ!一緒に帰ろ♡」


学校が終わるなり、綾花はご機嫌で夏輝のクラスに来た。

夏輝は鞄に教科書を詰めながら「あ、今日はムリ」ときっぱり。


綾花はガクッとなり、「え~~~~そろそろ一緒に帰りたい~~~~」と口を尖らせた。


「えー、今日は普通にムリ」


笑いながら言う夏輝に、綾花は「どこ行くの?彼女の私に内緒でさっ!」と言った。

近くにいたクラスメイトたちが振り返り、「えっ相原と羽住って付き合ってんのっ!?」と言って2人を見た。


夏輝は「ううんコイツが勝手に言ってるだけだから気にしないで」とあっさり否定し、綾花は「もうーっ!ちょっとくらいノッてくれてもいいのに。あんなことやこんなことした仲でしょっ♡♡」とまた口を尖らせた。


「うっせーな紛らわしい事言うなよ...」


夏輝は怪訝な顔をして綾花に言うと、再びリュックにノートを詰めながら「今日分かんなかったとこあったから家で勉強すんの。邪魔すんな」と言いながらリュックを背負った。


「えっ偉すぎなんだけど....!じゃあ私も♡」


綾花はそう言って夏輝の腕に絡みついた。

夏輝は表情1つ変えずに「むり。1人じゃなきゃ集中できない。また今度な」と言って腕を抜き、綾花に手を挙げると出口の方へ歩き出した。


「ええ~~~っ!じゃあじゃあ明日は??」


綾花は夏輝についていき、夏輝の顔を見上げた。


「んー、じゃ明日ね」と夏輝。


「本当♡デートだっ」と綾花。


「デートなら行かない。他でやってくれ」


「もうーっ!冷たいんだから!」


「はいはい。んじゃまた明日~」


夏輝はそう言うとそのまま教室を後にした。


教室に残された綾花は、「もう~~~」と口を尖らせ、『よし、じゃあ今日は峯君と仲良くなろう作戦しよっと』と思いたち、恭介のクラスへ向かって行った。


綾花はそのまま恭介のクラスに向かい、教室を覗いた。

既に恭介の姿はなく、近くにいた生徒に「ねえ、峯君は?」と聞いた。


「峯ならもう帰ったけど。羽住、相原狙いじゃなかったの?」


笑いながらそう言われ、綾花は「まあそれは変わってないんだけど色々あって?♡ありがと」と微笑み、自分も学校を後にした。



******



「はあーあ...夏輝君も構ってくんないし、峯君も帰るの早いし~~カフェでも行ってから帰ろ―っと」


学校を出て、綾花はそんなことをぼやきながら駅の方へ向かって歩き始めた。

駅前のカフェに入り、綾花は「何にしようかなあ~」と呟きながらメニュー表を見た。


『っていうか席空いてるかな~』とか思いながら辺りを見渡すと、席は満席だった。

綾花は一度メニュー表を置き、2階へ。


2階にも結構な人がいて、空いている席を探した。

キョロキョロと見渡した時、綾花の視線の先には見覚えのある姿が。


奥の席に、綾花と同じ学校の制服の男子生徒。

それは紛れもなく恭介だった。


「あ、峯君だ」と呟き、恭介の向かい側で教科書を見る同い歳くらいの女の子に目をやった。

2人で勉強をしているようだった。


キャミソールのようなインナーに透けたシャツを着て、ショートパンツを履いている金髪の女。


綾花は壁に隠れ、『か、彼女かな....?』と思いながらもう一度恭介の金髪の女を見た。


『何か意外...峯君ってああいう派手な、キャバクラ系女子が好きなんだ...?』


綾花はそんなことを思いながら階段を降り、『ってか結局席空いてなかったし別のカフェ行こうーっと』と思いながらカフェを後にした。



******



綾花が階段を降りて行く背中を、恭介は横目で見た。


「恭介君?」


愛実に声を掛けられ、恭介はすぐに微笑み「あ、ごめんね。どこか分からないとこあった?」と愛実に視線を向けた。

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