↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪物  作者: 水野 すい
PR
98/100

雨の日

そして俺は一瞬、妙なことを思い出した。


18日、19日じゃなかったから今まで忘れていたけど、康太から『雨だった』と聞いて思い出したことがあった。

これが17日の出来事だったかは分からないし、確かめようがない。


でも、もしそうだとしたら?

いや、無関係か。

そんなわけないよな。


あの雨の日、夜中に水を飲もうと起きた俺は、康太と同じように窓を開けた。

昼間は降っていなかったのに、夜中に雨が降っていたからどれほど強い雨なのかふと気になったのだ。

少し大粒の雨で、窓に水滴が打ち付けられていた。


だから窓を開けたのだ。

だけど窓を開けた時、少し雨が吹き込んできた。

それで思ったんだ。


『恭介が寝ているのに窓を開けたら、恭介に怒られる』と。


それですぐに窓を閉めて、恭介が起きていないか確認しようと恭介のベッドを覗いた。


だけどーーーーーーーーーーーー。

そこに恭介の姿はなかった。


いや、だから何なんだ?

あの時、俺は空っぽになった恭介のベッドを見てどう思ったんだっけ?

どうせトイレとか、水かなとか思ったに違いない。

それで水を飲んですぐに寝た。


あれ?ってことは恭介は水を飲みに起きたわけじゃないってことか。

台所でも廊下でも会っていない。

じゃあトイレか?トイレならあり得るか。てかそれ以外ないか。


あれって何時だったんだ?

わざわざ時計なんか見ていなかったような気がする。


ただ夜中で、暗くて、雨が降っていた。

でもそんな夜、17日とは限らない。


寒かったから冬であることは確かだと思うし、卒業式が近かったらやっぱり3月?


あれ、本当に卒業式が近かったか?

あれは一体何日の記憶なんだ?

そもそも、俺が水を飲もうと起きた日の出来事だったか?


いや、もし仮に恭介と実来が会っていたんだとしたって、別に問題ではないはずだ。

何かの相談ごと?


いや待てよ。


塚本さんと今村さんに『実来ちゃんに最近変わった様子はなかったか』と聞かれた時、恭介は『いつも通りだったと思う』と言っていた。

つまり実来が何か恭介に相談していたとは考えにくい。


ちょっときもいことを考えると、実来が俺のことを恭介に相談していた?

いや、ならどうして実来は泣いていたんだ?

恭介は俺の気持ちを知っていたわけだから、諦めさせるようなことを言ったりはしないだろう。


ならやっぱり別のこと?

別のことって何だ?


もし外が晴れていたなら2人が散歩に出掛けたとも考えられる。

だけどその日は雨が降っていた。

わざわざ外に行く必要があるのか?


それに、以前夜中に3人で抜け出したことがあった。

そのとき実来と恭介は、寝ている俺を無理矢理叩き起こしてきた。

2人で行く理由が他にあった?


もしかして、恭介もやっぱり実来のことを好きだった?

いや、ならやっぱりどうして実来が泣いていて、死ななきゃいけないんだ?


ーーーーーやめよう。


恭介を疑うなんてどうかしている。

色んなことが起こり過ぎてちょっと冷静じゃなくなってるみたいだ。


今日はもう寝よう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。