まだ言えてない
2024年8月18日 18:30
恭介君、遅いな。
塾で引き留められちゃったのかな。
それとも、途中で事故に遭ったとか?
大丈夫かな?
先に連絡先交換しとくべきだった。
どうしよう。
菜々美がそんなことを考えていた時、足音が聞こえた。
「恭介くーーーーー」
菜々美が嬉しそうに顔を上げると、そこには知らない男たちが6人。
「お姉さん何してんの?かわいいね〜」
「こんなとこで1人でいて、暇なら俺たちと遊ぼうよ」
ニヤニヤする彼らを見て、菜々美はすぐに立ち上がって歩き始めた。
すると彼らは「ちょっと無視しないでよ〜」と言いながら男たちはついてきては、菜々美の前に立ちはだかった。
菜々美は俯き「やめてください。通報しますよ」と言いながら睨むように彼らを見上げた。
「そういう顔もかわいいじゃん〜?」
「ねえそんなこと言わずにさ〜?」
そう言いながら男たちは、菜々美の腕を掴んだ。
「ちょっと..!」
菜々美の声を無視して、「いいからついてこいよ」と言いながら男たちは菜々美の腕を引っ張った。
「ちょっと....!やめてっ!」
菜々美は必死に抵抗し、力を振り絞って腕を振り払おうとするも、男たちは3人がかりで菜々美を引っ張り、菜々美は近くに停まっていたハイエースに引きづりこまれた。
「やめてっ...!離してよっ...!助けて!恭介君っ....!!!!」
菜々美の叫び声も虚しく、ハイエースのドアがしまった。
ハイエースは乱暴に発車し、菜々美の口にはガムテープが貼られた。
******
ハイエースが移動している時間は、恐ろしく長く感じた。
その間、暴れていた菜々美の顔を、男の1人が思い切り殴りつけた。
菜々美は唇が切れ、鼻血が出ていた。
初めて人に殴られた。
こんなにも痛いものだなんて知らなかった。
殴られた瞬間目の前が真っ白になって、なぜか自分からネジが飛んだかのような機会音がした気がした。
あまりの動揺で、それからのことはあまり覚えていない。
気がつけば、小さなアパートに一室にいた。
恭介君、今頃心配してないかなーーーーー。
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男たちに掴まれ、乱暴に部屋に連れ込まれた。
部屋のボロいソファの上に投げつけられたと同時に、男の1人があたしの上に馬乗りになり、あたしの首を締めた。
「なあ、誰だよこいつの顔殴ったの。終わってからにしろって言っただろ」
「悪かったよ。その女が暴れるからついむかついてさ」
「ふざけんなよ。興奮しねえだろ」
「別にもう血も止まってるだろ。いいから早く脱がせろよ」
男たちはそんな会話を繰り広げ、菜々美の周りに集まった。
その内の1人は、呑気にキッチンで飲み物を飲んでいた。
男たちは菜々美のシャツに手をかけ、乱暴に引っ張りボタンを開けた。
菜々美はまだヒリヒリする唇に力を込め、「やめてっ...!!」と叫んだ。
「うるせえな...!」
男はそう言いながら菜々美の唇を塞いだ。
ねっとりした舌が菜々美の口の中に入り、菜々美は泣きながら「やめて..!」と声を出した。
「なあこいつ処女?」
「いや、違うっぽい。面倒臭いからやっとけって言ったんだよ」
「まじで?うける」
「まあいいんじゃね?何でも」
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何時間が経っただろう。
口の中は血と涙が混じり、変な味がした。
全身がヒリヒリして激痛が走る。
何度も首を締められて喉も苦しい。
声が出ない。
どうしてこんなことになったんだろう。
あたしは一生、恭介君しかいないと思っていたのに。
もう嫌だ。
ああ、恭介君心配してないかな。
こんなに汚されたあたしのこと、愛してくれるかな。
でも、恭介君が初めてで良かったな。
これは悪い夢で、あたしは恭介君としかしていない。
きっとそうだ。
恭介君に遊ばれてるんじゃないかなんて思ったせいで、変な夢を見ているんだ。
目が覚めれば恭介君が隣で寝てるはずだ。
ああ、そういえばまだ『好き』って言えてないや。
ーーーーーねえ、恭介君、好きだよ。




