愛実
「だーかーらあっ!ただゲーセンで遊んでただけなんだってば!おっさんしつこいって...!早く解放しろよ!」
目の前でそう言いながら、金髪の若い男はイライラした様子で舌打ちをした。
今村は「お、おっさんって..!俺まだ33だっての...てか、ああもう違くてっ!」と呟き、金髪を見る。
「あのね、君はただゲーセンで遊んでただけかも知れないけど、海賊版のゲームソフトを運ばされてたんだから事情を聞かないと帰せないって、僕も何回も言ってるでしょ?」
呆れた様子で言う今村に、金髪は「だから1万やるから運んどけって言われただけで、他は何も知らねーよ!」と机を叩いた。
「だから、どんな人に言われたかとか、特徴を聞いてるでしょ?」と今村。
「はあ?そんなん忘れたっつうの...!」
金髪のふてぶてしい態度に、今村は「君ねえ...」と溜息をついた。
すると、別の警官に連れられて来た少女が視界に飛び込んできた。
今村は「あっ」と立ち上がり、隣にいた警官に「ごめん、ちょっとよろしくっ」と言って立ち上がり、廊下を歩く少女と警官の元へ。
「愛実ちゃん!川本愛実ちゃんだよね!」
今村がそう言うと、愛実は「うわ...」と呟いて今村を見た。
「うわって..!」と今村。
「おじさんまだこんなとこにいたの」
不機嫌そうに言われ、今村は「まだ33だっての...」と呟く。
「少年課だから仕方ないでしょ..?てか!そうじゃなくて!ちょっと、何で警察署になんか連れてられてるの。まさか、また万引きしたわけじゃーーーー」
今村の言葉を遮るように、愛実は「違うから!」と少し怒鳴るように言った。
「えっ、あ、そうなの」
「ちょっと、遅くなっちゃって補導されただけだから...最近はもう変なことしたりしてないって」
愛実は不機嫌そうに言った。
「そ、そっか。ごめんごめん。家には?ちゃんと帰ってるの?」
「...まあ、最近は。てかスマホ返してよ。さっきそこのお巡りさんに没収されたんだけど」
「え?ああ、まあ、あとでね」
「やだ...!今すぐ見たいの」
愛実の勢いに、今村は「わ、わかったよ」と呟き警官からスマホを受け取り、「ほら」と愛実に返した。
愛実は勝手に近くの椅子に座ると、急いだ様子でスマホを見た。
愛実は《峯 恭介》からのメッセージを見て微笑んだ。




