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怪物  作者: 水野 すい
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66/100

『好き』の種類

「夏輝くーんっ!今日一緒に帰ろ♡」


放課後、クラスに綾花が来た。


「あ、無理。今日用あるから」


夏輝がそう言うと、綾花は「あっ」と呟いてからすぐに微笑んだ。


「...えーっしょうがないなあ♡じゃあチューして♡」


綾花がそう言って夏輝を見上げると、「はあ?無理。なんで俺が綾花と」と笑いながら帰る準備をした。


「もうーっ。じゃあ明日は?明日一緒に帰ろっ♡」


「んー考えとく」


夏輝がそう言って笑うと、綾花は「じゃ決まりね♡」と微笑んだ。


「はいはい。じゃあな~」


夏輝はそう言って教室を後にした。


「はーい♡ばいばーい!」


綾花が夏輝を見送ると、近くにいた健斗が「おいおいおいおいっ!」と駆け寄って来た。


「なんだよ今のっ!?」


「んー?なにが?」


綾花がニヤニヤすると、健斗は驚いた顔で言った。


「夏輝、明らかにお前に対する態度違くなってないか!?綾花って言ってたぞ!?先週課題届けに行って付き合えたんか!?」


「ふふん♡」


「えっ!?夏輝が!?彼女作ったの!?」


「残念ながら友達宣言されましたあ」


綾花がそう言うと、健斗は「えっそうなの?にしては前より仲良くなってね?」と不思議そうに綾花を見た。


「まあねっ。でもいいの!私は付き合えなくても親友枠になろうと思います!ほら、よく考えてみたらさ?彼女になったらいつか終わりがあるかもだけど、親友なら一生一緒だし?『好き』にも種類があるでしょ?」


「それにしてはチューしようとか言ってなかったか...?」


「それは冗談って言うかあ、ワンチャンって言うか?♡」と綾花。


「それ友達か...?先週何があったんだよ?」


「んー、おっぱい触られた♡」


「ますますどういうこと!?」


健斗がそう言うと、綾花は笑って言った。


「でも、前より夏輝くんに近づけた気がして嬉しいのっ。まあ、彼氏になってくれないのは悲しいけど...でも、これでいいかなって思うの」


そう言うと、健斗は不思議そうにしながらも苦笑した。


「まあ、夏輝もなんとなく、前より楽しそうだったな。今日」




そんな夏輝と綾花のやりとりを見た恭介は、表情を変えずに廊下を歩いた。


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