母親を見ているようで
2026年 現在。
「だからめちゃくちゃ普通の子だったよ?男関係もまあ普通っぽいし、恭ちゃんが気にするような女じゃないと思うけどなあ、羽住綾花って」
知佳はそう言うと、スマホをいじっている恭介にキスをした。
ーーーーああ、イライラする。
そもそも唇を合わせることに一体何の意味があるの?
汚いし、胃の中を虫が這っているように吐き気がしてくる。
もう慣れたからできるけど、こんなんで言う事聞いてくれるって女って本当バカだよね。
本当母親を見ているようで腹が立つ。
「ふうん、そっか。ありがとう知佳ちゃん。俺の友達がね、その子と仲良いみたいで、どんな子か気になるって言ってただけだったから。たまたま知佳ちゃんが綾花ちゃんと知り合いっぽかったから聞いただけ。ごめんね?」
恭介はそう言って微笑んだ。
知佳は「ううん!恭ちゃんの役に立てたなら良かったあ~~」と言って恭介に抱きついた。
恭介は知佳に腕を回しながら微笑んだ。
あーあ、この長い髪って必要?
皮膚に触れるたび、蜘蛛の巣みたいで気持ちが悪い。
「ねえ恭ちゃんっ。もう1回しよ?」
知佳はそう言うと、恭介にまたキスをした。
恭介は微笑み、知佳にキスをした。
こんなことがしたいが為に、俺の両親はあんな空っぽな家で暮らしていた。
今だって、こいつが言うことを聞いてくれなくなったら面倒臭いから『与えている』。
何も楽しくないし、汚いし、吐きそうだ。
俺が極力したくないと思うことを、両親はなぜ何年も?
快楽だけ得て、勝手に俺を産んだくせに今度は別の異性と関係を持って。
こんな苦痛早く終わらせて、なっちゃんと話したいなーーーーーーーー。




