あたらしい風
夏輝は涙を拭い「いや、そんなことないよ」と微笑んだ。
「そんなこと言ってくれる人、いなかったから。ありがと」
夏輝がそう言うと、綾花も手で涙を拭いながら「うん」と微笑んだ。
5秒ほど2人の鼻を啜る音だけが聞こえ、夏輝は「あーっ」と声を出した。
「今日何回泣くんだよ...!やっぱ熱出てきたかも」
夏輝がそう言って笑うと、綾花も「だね..!」と笑った。
「...今日、来てくれてありがとな。色々、嬉しかった。俺、綾花に出会えて良かったよ」
夏輝がそう言い、綾花は「じゃあチューしてくれる?」と笑った。
夏輝はクスっと笑い「それは無理」と言って綾花を見た。
綾花は「だめかあ」と笑い、「でも、さっきもわざとでしょ」と言った。
「さっきのって?」夏輝は不思議そうな表情を浮かべた。
「『やらせて』とか言って押し倒してきた時。誰のことも好きになれないから、私に嫌われようとしたんでしょ?どうせ無理矢理する気なかったんでしょ」
「あー....まあ、うん..ごめん」
夏輝は苦笑した。
「やっぱり。嫌われてもいいとか思うってひどくない?」
綾花はわざとらしくムスッとした。
「ごめんて...」
夏輝は気まずそうに苦笑する。
綾花は小さく息を吐き、微笑みながら言った。
「まあ私は?あのまま夏輝くんとエッチするのも良かったけど♡いつも優しい夏輝くんもアリだったけど、ああいう強引な夏輝くんもかっこいいっていうか♡♡あ、ねえもう1回押し倒してよ♡今度はチュー付きで♡」
綾花はそう言いながら夏輝に近づいてニヤニヤ。
夏輝は「はっ...?バカじゃね!?無理」と言って綾花の腕を振りほどき、座ったまま後ずさり。
「何でよっ!照れなくていいのに♡」
「照れてねーよっ!」
「えーさっきおっぱい触りたいって言ってたじゃん?どうぞどうぞ♡好きなだけ触ってくれていいよ♡夏輝くん専用だから♡♡」
「冗談だっての!ちょ、お前あっち行けよ!てか早く帰れよ!」
そう言った夏輝の表情は笑っていた。




