生きる意味をくれた人
「ごめんなさい…!そんなつもりじゃなくて…ただ、相原くんのことを知りたかった。知りたいと思っても知れなくて…」
「言うわけねーだろこんなこと…実来のこと何も知らない奴に、そんなクソみたいな記事だけ見てワーワー言われたくねーんだよ…!」
夏輝はイライラしたようにそう言った。
「…ごめんなさい。私はただ…相原くんのことが好きで…この記事を見たからって何か変わるわけじゃない。ただ、少しでも悲しみを分け合えたらいいなとは思うけど…」
綾花はそう言って立ち上がり、夏輝に言った。
夏輝は綾花を見上げ、「は…?」と呟き、髪を掻き、立ち上がって綾花を見た。
綾花は少し泣きながら無言で夏輝を見上げた。
夏輝は溜息をつき「…じゃあ、やらして」と呟いた。
綾花が「え…?」と呟くと、夏輝は綾花の腕を掴み、そのままベッドに押し倒した。
「ちょ…!相原くんっ…!」
綾花は目を見開き、夏輝を見上げた。
夏輝は綾花の腕を押さえつけ「なんだよ、俺の為なら何でもしてくれるんだろ?」と綾花の顔を見た。
「ちょっと...!」
綾花が暴れるのを抑えつけながら、夏輝は無表情のまま言った。
「俺、お前のことちっとも好きじゃない。だから付き合わないし、お前の都合なんか知らない。それでも俺のこと好きなんでしょ?じゃあ身体だけちょうだい?」
綾花は静かに泣きながら夏輝を見上げ、鼻を啜ると「相原くん..!」と呟いた。
「俺の悲しみ分け合えんならもうとっくに分けまくってるっつーの...!分けられないからこんなに苦しいんだろ...!お前に分かるか?何で自分は生まれたきたんだろうって、何の為に生きてるんだろうって毎日考えながら生きてた俺の気持ちが..!生きてていいのか分からなくなる気持ちが!お前が当たり前に食べてた温かい食べ物も、当たり前に寝てた柔らかい布団も、当たり前に優しくしてくれる人がいたことも全部が奇跡だってこと...お前に分かんのかよ...!自分が何が好きで、何が嫌いかも分からなくて、どう笑ったらいいかも分からない気持ちが....そんな...そんな俺に生きる意味をくれた人がいなくなる悲しみが...!苦しさが!」
そう言った夏輝の目から落ちた涙が、綾花の頬に落ちてきた。




