全部受け止めたい
【大丈夫?お見舞い行こっか?】
恭介からのメッセージを見て、夏輝は【大丈夫!ありがと!】とメッセージを返し、すぐにスマホを置いて横になった。
綾花が夏輝のクラスに行くと、健斗が来た。
「大好きな相原くんなら今日は熱出たから休むってよ」
健斗は冗談っぽく言った。
綾花は「がびーーん。ショック…相原くんに会えないとか…早退しようかな…」と俯いた。
「バカかよ。あ、でも」
健斗はそう言いながらニヤニヤして自分の席に行った。
綾花は不思議そうに健斗に続く。
「プリントとノート、届けに行くついでにお見舞いして来たら?これ預けてやるからさっ」
健斗はそう言って机からプリントを出した。
綾花は「初めて健斗がかっこよく見えた!ありがとっ!」と言ってプリントとノートを健斗から受け取り、嬉しそうに抱きしめた。
「相原くんちに合法で行けちゃうとか最高〜〜♡」
綾花がそう言うと、健斗は呆れた顔で「ほとんどストーカーだな…」と呟いた。
昨日、相原くんのこと調べてしまった。
色々分かったことも、分からないこともあった。
でも、全部なんでもいいや。
相原くんの過去に何があったとしても、相原くんが何をしていたとしても、相原くんが誰を想っていても、関係ない。
私にできることはただ1つ。
私を好きになってもらえるように頑張る!それだけだ。
だから無理に聞こうだなんて思わない。
いつか相原くんが、自分から私に話してもいいと思えるように、というより、一生思えなくてもいいから、相原くんの悲しみも、苦しみも、後悔も、全部受け止めてあげたい。
そう思った。
綾花が夏輝の家のチャイムを鳴らすと、「はい」と言って小奇麗な夫人が出てきた。
綾花は『わあ、相原くんのお母さん綺麗...!』と思いながら、「あ、あの私、相原くんと同じ学校の羽住綾花と申します!相原くんに課題を届けに来ました!」と言った。
すると夫人は「あ、そうなの。わざわざありがとう。どうぞ」と言って中へ招き入れた。
玄関先に入り、綾花は静かに深呼吸。
『相原くんの匂いがする!!』と思いながら平静を装い、カバンからプリントとノートを出した。
すると夫人は「あ、どうぞ。お茶でも飲んで行って」と微笑んだ。
「えっ!?いいんですかっ!?」
綾花は目を輝かせた。




