少女について
綾花はその足で高校の近くの自販機を見に行った。
「やっぱりだ....」
綾花は自販機に並んだミカン味の『ふるふるゼリー』を見つめて静かに呟いた。
相原くんはあそこで何をしているの?
峯くんは何を知っているの?
どうして手に触れた時あんな勢いで拒絶したの?
どうしていつもカレーしか食べていないの?
どうして過去の話は一切しないの?
スマホも、こっそりつけている足首のミサンガも、あの花も、ゼリーも、どうして全部『黄色』なの?
あの花とゼリーはどういう意味ーーーーううん、誰の為?
綾花は家に帰ると、『あのビル、なんていう名前なんだろう..見てくれば良かった』と思いながら、スマホの検索欄に【○○町 ビル 事件】や【○○町 ビル 殺人】【○○町 ビル 自殺】と入力した。
様々な記事が出てくる中、綾花は【小学生女児 自殺か】という記事を見つけた。
記事は4年前、2022年の3月のものだった。
2021年3月19日、○○町の廃ビルで百田実来ちゃん(12)が遺体で発見された。実来ちゃんの遺体は損傷が激しく、ビルの屋上から飛び降りたものと考えられる。
実来ちゃんはこの日小学校の卒業式で、朝から行方が分からなくなっていたところ、実来ちゃんが暮らしていた児童養護施設の職員が実来ちゃんを発見し、死亡が確認された。
検死の結果、実来ちゃんは18日の夜に亡くなったことが判明した。
警察は事件と事故の両面から捜査を進めていく方針でーーーーーーー
綾花はすぐに立ち上がってリビングへ向かった。
「ママっ」
綾花がそう言って「この記事の女の子のこと、私が6年生の時確か言ってたよね?」と母親にスマホを見せた。
母親は「なに急に」と言いながらスマホの画面に目を向け「ああ」と呟いた。
「どんな子とかは知らないけど、そういうことがあったって話は聞いたわね、確か」
「そうなんだ.....ねえ、この子って自殺だったの?」と綾花。
「そうみたいよ。記事見た記憶あるわ」
「そっか。わかった、ありがと!」
綾花はそう言ってまた部屋に戻り、【○○町 百田実来】と検索し、様々な記事を読んだ。




