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感謝してるよ
夏輝はそう言って「あっ」と呟きスマホを見た。
時刻は20時半。
「やっべ、今日父ちゃん帰ってくる日だったの忘れてた..!」
慌ててそう言う夏輝に、恭介は「帰ってくるって?」と不思議そうに首を傾げた。
「出張多いからたまにしか帰って来れなくて、その日くらいは3人で話したいだろ多分...!養ってもらってるわけだしただフラフラ遊んでる養子とか最悪じゃん...!わり、急いで帰るわ!」
夏輝はそう言いながら立ち上がった。
恭介も立ち上がり「わかった。気を付けてね」と微笑み、夏輝に手を振った。
夏輝は走りながら「おうっ!」と言って屋上を後にした。
夏輝を見送ると、恭介は夏輝がいなくなった扉を少し見つめて腕を下ろした。
振り返り、花束とゼリー缶の元へ。
恭介はゼリー缶を1つ手に取り、プルタブを開けた。
恭介は躊躇うことなくゼリー缶を傾け、中の液体をマリーゴールドにかけた。
中から液体がなくなると、空になった缶を適当に投げ、ゼリーがかかったマリーゴールドの前にしゃがみ込んだ。
「本当に君はいなくなってからも役に立ってくれるね。感謝してるよ、実来ちゃん」




