もし犯人がいるとしたら
「...お前さあ、いつまでそんなことするつもりだよ?お前の人生だろ?実来ちゃん、今のお前見て喜ぶと思うか?」
塚本がそう言っても尚、夏輝は態度を変えることなく淡々と言った。
「もう嫌なんだよ。ガキで、無力で、泣いてることしかできなかった自分が。ずっと後悔してんだよ、実来はもういない。だったら満足するまで俺が調べる、それだけの話だろ。何でだよ...何で俺ばっかり、秋人も、実来も失わなきゃいけなかったんだよ。何で俺ばっかり..過去を見ていちゃいけないんだよ...!何も知らないまま前向けなんて、俺には無理だよ」
悔しそうにそう言う夏輝を見て、塚本は俯いた。
「...俺はな、夏輝。お前の気持ちも分かるよ、分かるけど...でも、好きなことして、好きな物食べて、好きな職業について、好きな女と結婚して、そういう普通の幸せを手に入れて欲しいんだよ。今までつらい思いばっかしてきたんだ、もう楽になったっていいだろ」
「別に...塚本さんとか、警察を責めてるわけじゃないよ。あん時は腹立ったし、塚本さんたちのこと恨んだりもしたよ。でも仕方ないことだってあるし、分からないもんは分からない。実来が死んだ理由は実来にしか分からない。復讐したいとか、そういうんじゃない。真実を知りたいだけなんだよ俺は。このままじゃ好きなことも、好きな女もできない。やりたい仕事も見つからない。だから...そんな否定したりしないでよ」
「じゃあ聞くけど、もし実来ちゃんが誰かに殺されたんだとしたら...お前どうする」
塚本がそう言うと、夏輝は前を向いたまま即答した。
「殺しますね、1番苦しい方法で」




